ふきのあく抜きがテーマです。
ふきのあく抜きは必要でしょうか、なくても平気でしょうか。
またあく抜きに失敗してえぐみが残った場合、対処法はあるのでしょうか。
あく抜きについてまとめていきます。
ふきのあく抜きは必要?しなくても平気?
新緑の季節になると、訪れるのが山菜のシーズンですね。
スーパーにもいろんな山菜が並びますが、ふきもその中の一つです。
香りとほろ苦さ、シャキシャキ食感がたまらないふきですが、ふきはあく抜きなしで食べて大丈夫?なのでしょうか。
あく抜きをしないで、食べることはできるのでしょうか。
結論からいうと、あく抜きをしなくても、食べることはできます。
ふきは、アルカロイド系の物質が含まれていますが、食べる部分には含有量が少ないので、身体に害はないとされています。
ふきのつぼみである、「ふきのとう」もあく抜きせずに食べることはありますが、健康被害などはないですよね。
※ただ大量にあく抜きしていないふきを食べた場合、肝障害などが起こる可能性があるため、注意が必要です。
そしてふきはあくが強いのでとても食べづらいです。えぐみや苦みが口に残ります。
なので、基本的に生食は無理だといえます。
ふきには、クロロゲン酸などのポリフェノールも含まれていますが、適度に風味を残しつつ食べやすく下処理しておいしく食べることをおすすめします。
実際、あく抜きが不十分のものを食べたら、あまりの苦味で気持ちが悪くなったことがあります。
あく抜きしなくても、多量に食べ続けなければ問題はありませんが、あく抜きをした方がおいしいのは確かです!
あく抜きは面倒ですが、しっかりあく抜きをした方がよいです。
正しいふきのあく抜き方法
ふきのあく抜きの方法は重曹やぬかを使ったやり方などいろいろありますが、家庭にあるお塩を使ってできる簡単なあく抜方法をご紹介します。
①ふきの下処理
まずは、葉を切り落とし、ふきはお家にある大きなお鍋にあわせて切ります。
お鍋のかわりに、フライパンでも大丈夫です。
ゆでた後で皮をむくので、短く切ってしまうと、その分本数が増えるので気を付けてください。
ふきの皮むきは結構時間がかかります。
②ふきを板ずりする
まな板の上にふきをおき、 1束に対して大さじ山盛り1杯の塩 をふります。
手のひらでふきを軽く押さえながら、ゴロゴロとまな板の上でお塩がなじむように板ずりをします。そうすると、
ふきが色よくゆであがり、あくも抜けやすくなります。
③ふきを茹でる
たっぷりのお湯が沸騰したら、塩がついたまま、ふきを入れます。
茹で時間は細い部分は2~3分程度、太い部分は4~5分程度が目安です。ふきの太さにもよりますので、こまめに確認してくださいね。
茹で上がったら、細い部分から順番に氷水にとっていきます。
なるべく、空気にふれる時間を短くし氷水にすぐとることで、色鮮やかになります。
④ふきの皮を剥く
冷めたら水にさらしたまま1本ずつ皮をむきます。
ふきの太い方の端に、包丁の刃先か爪を使って全体の皮と筋を3~4㎝ほどむきます。
後はむいた皮をまとめて持って、一気に引き下ろします。
そうすると、きれいに簡単に皮をむく事ができます。
全部むき終えたら、お好みの大きさにカットして、保存容器にいれ時々水をかえながら一晩冷蔵庫で浸しておきます。
これであく抜きは完了です。
冷蔵庫で4~5日保存可能ですが、毎日水は交換した方が良いです。
ふきのあく抜きを失敗したときはどうする?
ふきのあく抜きが万が一失敗してしまった場合は、どうすれば良いでしょうか。
ふきのあく抜きがうまくいかなかった原因はいくつか考えられるようです。
ふきの鮮度が落ちてしまった
ふきに限らず、山菜類は「その日に山に帰る」 と言われています。
鮮度が急におちるので、処理はその日のうちにしましょうという意味です。
鮮度がおちるとあくが全体にまわり、下処理してもあくが残ってしまいます。
また色も変色し、煮ても硬い場合があります。
ゆで時間が足りなかった
シャキシャキ食感も大事ですが、茹で時間が短いとふきにあくが残った状態になってしまいます。
ゆで時間は、細いもので2~3分、太いものでも4~5分程度が目安です。
太さによって、ゆで時間が変わってきますのでお好みで調整してください。
ゆで時間が長すぎた
ゆで時間が長すぎると、ふき自体が柔らかくなりすぎてしまい、シャキシャキ食感がなくなってしまいます。
また、あくの汁の中で煮ることになるので、えぐみや渋みの残る原因になるとありました。
ふきの太さや好みの硬さによって、茹で時間は人それぞれのようです。
あくをなるべく抜きたい場合は、最低でも5分は茹でる方が多いようですね。
特に、ふきの苦味が苦手という方は、きちんと茹でてあく抜きしないとおいしくなくなってしまいます。
ふきのあく抜きに失敗した時の対処法
失敗したかも・・と思っても対処する方法はありますので大丈夫です。
ふきを水にさらす
とりあえず、一晩は冷蔵庫で水にさらします。
あくは水溶性で水にとけだす性質があるので、その間、何度かお水をかえてくださいね
それでもまだえぐみが残る場合はもう一度茹でこぼします。
茹でこぼしたら、また一晩冷蔵庫で水にさらします。
多少色と食感はわるくなりますが、お醤油などで味をつければ、大丈夫ですよ。
味付けを変える
お酒、砂糖、醤油などで炒めて「きゃらぶき」にしたり、こまかく刻んで、たまねぎ、人参などと一緒にかきあげにするのもおすすめです。
ふきは油を使ったお料理にすると、えぐみ、苦みがやわらぐので、ふきと油揚げの煮物や、ふきと鶏肉をごま油で炒めたりするのもおすすめです。
自然の食材なので、あく抜きがうまくいかない時もありますなので失敗ではありません。
季節の食材を自分で下処理して、旬を味わってみてくださいね。
ふきのあくの正体は?
そもそも、ふきのあくの正体とはなんでしょうか。
ふきの苦みや、えぐみ、渋みの正体は「 ファイトケミカル 」です。
ギリシャ語で「ファイト」は植物、「ケミカル」は化学物質、という意味で害虫や外敵、紫外線など植物が自分の身を守るために植物がもともともっている物質で、抗酸化力、免疫力をアップする手助けをしてくれます。
その数は数千種類存在するといわれています。
その中のひとつがポリフェノールです。
ふきには主にクロロゲン酸というポリフェノールの一種が多く含まれており、これが苦味の原因となっています。
そのほか苦味の正体としては「ピロリジジンアルカロイド類」 というアルカロイドの一種であるとされています。
参考文献:https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/papers_posters/pdf/108th_eisei1.pdf
http://www.famic.go.jp/public_relations_magazine/kouhoushi/back_number/pdf39/08.pdf
これは、ふき以外にも、山菜や雑草などにも含まれていることがあります。
ふきを食べても、健康被害が起こらないのは、一般的にあく抜きをされているためです。
「ピロリジジンアルカロイド類」は水溶性です。
あく抜きをしたのに、まだあくが強く残っていた場合は、再度水につけたり、茹でるなどしてあく抜きをしてください。
4月末~5月初め頃のふきは皮もむかずに食べられます。
ふきのあく抜きまとめ
ふきのあく抜き方法をテーマにしてまとめました。
ふきは、生ではえぐみが強くて、とても食べられないので、しっかりあく抜きをしてから食べてください。
あく抜きに失敗した場合でも、対処法はあります。
料理にするのであれば、新鮮なふきがおすすめです。
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