しその食べすぎがテーマです。
薬味やお刺身のつまなど、日本人には昔から身近にある「しそ」ですが、1枚が少量のため、ついついたくさん食べてしまいますね。
よくアクのつよいものは、食べすぎに注意が必要といいますがしそはどうでしょうか。
しその食べすぎや許容量についてまとめていきます。
しその食べすぎは危険?
刺身のつまなど、日ごろよく目にするしそ(大葉)ですが、食べ過ぎると、健康上何か問題はあるのでしょうか。
結論からいうと、しそを食べすぎて健康障害がおきたなどの問題はないようです。
ただ、食べ過ぎから起こる症状ではないものの、しそには抗原性物質が含まれるため、かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)を起こす可能性があります。
触れる機会が一度に多くなると、皮膚炎を起こすことがあるので、注意が必要です。
1枚を触って皮膚炎が起こるということはまずないですが、前に一度かぶれたことがある方や、アレルギー体質の方は注意しましょう。
参考元:(接触皮膚炎診療ガイドライン)
http://jsdacd.org/html/contact_dermatitis_guideline.pdf
家庭菜園でしそを栽培している方も、収穫の際は、念のため注意してください。
因みにしその化粧品などは精製工程で抗原性物質は取り除かれているので、問題ありません。
しその栄養からみて食べ過ぎは大丈夫?
栄養面からみて、しその食べ過ぎで問題になるようなことはあるのでしょうか。

食べすぎに注意が必要なものはあるのか、体にどんな働きをするのかも含めてまとめていきたいと思います。
※単位は、1日に食べる量を100gではなく10gで見ていく事にします。しそ1枚は約1g なので、よっぽどでない限り100枚(100g)を一日で食べるのは無理です。
しその主な栄養は以下のようになります。
しそ10g(1枚1gで10枚)あたり
大葉(10g) | |
エネルギー(kcal) | 4 |
タンパク質(g) | 0.4 |
脂質(g) | 0.8 |
炭水化物(g) | 0.8 |
食物繊維(g) | 0.7 |
カリウム(mg) | 50 |
カルシウム(mg) | 24 |
βカロテン(µg) | 1100 |
ビタミンE(mg) | 0.4 |
ビタミンK(µg) | 69 |
※日本食品標準成分表より
注目する栄養素は以下になります。
ビタミンK
ビタミンKは止血のビタミンとも呼ばれています。
血液の擬古にかかわり、出血を止める働きがあります。
また、カルシウムを骨に取り込むのを助ける働きをがあり、このため骨粗しょう症の治療薬としても使われています。
しそには10gあたり69μgのビタミンKが含まれています。
1日の摂取基準量は成人女性の場合150μgになります。
約半分の量をしそ10gから摂取することができます。
骨粗しょう症の治療薬として1日に45mg処方しても問題がないことが証明されていますし、上限量の定めはなく、通常の食生活での過剰症の報告はありません。
45mgをμgにすると(1μg=0.001mg)45000μgになります。
しその枚数にすると6521枚になり非現実的ですね

カリウム・カルシウム
しそには、たくさんの量ではないですが、カリウムとカルシウムが含まれています。
カリウムはミネラルの一種で、ナトリウムとバランスをとりながら体の中の状態を一定に保つ働きをします。
ナトリウムを取りすぎとカリウムが働き、体の外に排出します。
高血圧の予防や、むくみの予防に効果があります。

カルシウムは骨や歯を作る働きがあるのは有名ですね。
他にも、イライラや、緊張・興奮などのストレスをやわらげる効果があります。
しそにもカルシウムが含まれていますが、その量は1日の摂取量の3%とごくわずかです。
いろんな食材と組み合わせて効率よく体にとりいれましょう。
カリウムのとり過ぎによる過剰の害は一般的な食生活ではほとんどありません。
またカルシウムのとり過ぎによる過剰の害も普通の食生活ではほとんどありません。
ただ、薬やサプリメントを服用している方や、摂取に制限のある方は微量でも、薬の効き目がわるくなる恐れもあるので、専門医に相談するなど気をつけてくださいね。
βカロテン

βカロテンは、植物性食品に多く含まれており、体内ではビタミンAとして作用を発揮します。
βカロテン以外にも、ビタミンAの働きをする栄養素がいくつかあり、その総称をプロビタミンAと呼びます。
βカロテンが全部ビタミンAになるわけではありません。
不足しているときに必要な分だけがビタミンAにかわり、それ以外は肝臓に蓄えられたり体を守る抗酸化作用の働きをしたり、尿などと一緒に排出されます。
なので食べた分が全部効果を発揮するわけではありませんが、ビタミンAが不足している時にはかかせないのがβカロテンです。
ビタミンAは、粘膜や皮膚を健康に保つ働きをしたり夜間の視力の維持に関わったりのどの粘膜に働いて細菌から体を守ったりと、たくさんの重要な役割を持っています。
しそ10gあたりβカロテン含有量は1100μgでβカロテンの代表的な野菜の人参(皮なし・生)は、10gあたり830μgと人参より多くβカロテンが含まれているのは驚きですね。

βカロテンは強力な抗酸化作用を持っています。
他にも免疫を増やす働きがあることがわかってきています。
βカロテンの場合は、必要に応じてビタミンAに変わることから過剰はないといわれています。
栄養素からみると、しそをたくさん食べて体に害を及ぼすものはありません。
むしろ体によい栄養素が含まれていることがわかりました。
栄養面でみても、問題ありません。
しその香り成分ペリルアルデヒド
しその特徴はなんといってもあのさわやかな香りです。
あの香り成分は主に「 ペリルアルデヒド 」と呼ばれる香り成分によるものです。
防腐作用があり、食中毒を予防する働きもあります。
お刺身などに添えてあるのも納得しますね。

食欲増進効果や解熱・発汗作用、咳止め、肌荒れなどに、利用されています。
また東京理科大学の研究によると腸炎を回復させる新機能があることがあきらかになりました。
(シソの香りによる腸炎の緩和 ~シソを食することで腸内環境を改善~)
http://www.tus.ac.jp
しそには、秘められたパワーがまだまだありそうですね。
しその食べ過ぎまとめ
しその食べ過ぎや許容量をテーマにまとめました。
しそはたくさん食べても、身体に害を及ぼすことはありません。
(独立行政法人 国立健康・栄養研究所『「健康食品」の安全性・有効性情報』)https://hfnet.nibiohn.go.jp
あの小さな葉1枚の中に、たくさんのβカロテンがたくさん含まれているのは驚きですね。
βカロテンは油脂と食べると吸収がよいので天ぷらや、炒め物まどに入れたりすると、効率よくとることができます!
ただ人によっては、食べ過ぎにより、気分が悪くなるなどの症状がおこる可能性もあるので、食べ過ぎには注意してください。
1日100gというのは、食べ過ぎです。
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