今日は、山芋とろろの栄養や効能をテーマにしていきたいと思います^^
山芋とろろにはどのような栄養があるのでしょうか。
またどのような効能を期待することができるのでしょうか。
山芋とろろについてまとめていきます。
山芋とろろの栄養は?
山芋には様々な種類がありますが、
その代表的な食べ方といえば「とろろご飯」では
ないでしょうか。
山芋をすりおろして、調味料と合わせ、
ご飯の上にのせて食べる料理ですが、
美味しいだけではなく、手軽に食べられる料理である
といえます。
そんな山芋とろろは栄養価が高いということで、
多くの方が食べているかと思います。
では実際どんな栄養が含まれているのでしょうか。
とろろにされる山芋としては主に
・長芋
・大和芋(いちょういも)
・自然薯
・つくね芋
の4種類があります。
関東ではいちょういものことを大和芋と呼びますが、
関西では、つくね芋のことを大和芋
と呼ぶところがあります。
同じ山芋ではありますが、
栄養成分は異なります。
共通点は粘りがあること・・・
ですね。
では、栄養素別にどの山芋が多いのか、
また含まれている栄養素にはどのような効果・効能が
期待できるのかをみていきましょう。
山芋とろろの栄養と効果・効能
山芋類にはビタミンやミネラルが豊富に含まれている
というわけではありません。
ですが、アミノ酸や成分表には記載されていないような
成分も含まれています。
カリウム
山芋にはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムの効能としては
体内の塩分濃度を調整し、余分な塩分を排泄する
効果があるとされています。
また塩分濃度を調整するので、
高血圧の予防にも効果があるとされています。
日本人は塩分を多く摂取しがちなので、
カリウムも摂取することがおススメです。
なお、様々な食事にカリウムは含まれていますが、
山芋類に含まれるカリウムの含有量は
トップクラス です。
すべての食材の中でも多く含まれているといえます。
また山芋の種類によって含有量は異なりますが
長芋: 430mg /100g
いちょう芋: 590mg /100g
自然薯: 550mg /100g
つくね芋: 590mg /100g
といちょう芋やつくね芋の含有量は特に多いと
いえます。
糖質
山芋は、炭水化物の含有量が多く、
糖質が多く含まれています。
現在は、糖質制限ダイエットをしている方も多く、
糖質が多い食材は好まれませんが、
糖質は生命を維持するうえで必要な栄養素です。
1gあたりで4kcalのエネルギーになります。
エネルギー源となるので、糖質が不足すると
疲れやすかったり体力の低下を招きます。
摂り過ぎは太る原因となりますが、
食材が少ないところでは山芋のように糖質が多い食材は
貴重な栄養源となります。
100gあたり(g) | |
長芋 | 12.9 |
いちょう芋 | 21.2 |
つくね芋 | 24.6 |
自然薯 | 24.7 |
長芋は水分含有量が多いので、他の山芋と
比較すると炭水化物量の割合が少なく、
糖質量は少なめです。
最も糖質量が多いのは自然薯です。
自然薯>つくね芋>いちょう芋>長芋
の順に糖質量は多くなります。
ですので、糖質制限をしているような人が山芋を摂取する場合は、
長芋にすると良いです。
山芋類は、疲労回復にも効果があるとされていますが、
糖質量が多く含まれているのも
いわれる理由のひとつだと考えられます。
銅
銅は、ヘモグロビンの構成成分となる鉄分を必要な場所に
運ぶ働きがあります。
ですので銅が不足すると貧血 の症状が起こることもあります。
とはいえ、偏食がなければ
銅が不足することはまずないです。
含有量はそれぞれ以下のようになります。
長芋: 0.1mg /100g
いちょう芋: 0.2mg /100g
自然薯: 0.21mg /100g
つくね芋: 0.16mg /100g
自然薯がトップの含有量です。
ビタミンE
ビタミンEは別名「若返りのビタミン」とも呼ばれ、
抗酸化作用が強いビタミンです。
動脈硬化などの生活習慣病の予防 にも
効果があるとされています。
ビタミンEの含有量は以下のようになります。
長芋: 0.2mg /100g
いちょう芋: 0.3mg /100g
自然薯: 4.1mg /100g
つくね芋: 0.2mg /100g
自然薯には豊富にビタミンEが含まれているのですが、
他の山芋類の含有量はかなり少なくなっています。
自然薯は山芋の中でも栽培が難しく
高価ですが、それだけのものを含んでいますね。
ビタミンB1
ビタミンB1は代謝に関わるビタミンです。
糖質をエネルギーに変えるときの補酵素の働きをする
ビタミンであり、疲労回復 にも効果があると
されています。
糖質は山芋類にも豊富に含まれていましたね!
それぞれの含有量は以下のようになります。
長芋: 0.10mg /100g
いちょう芋: 0.15mg /100g
自然薯: 0.11mg /100g
つくね芋: 0.13mg /100g
実はそんなにビタミンB1の含有量は多くはありません。
ビタミンB1が豊富なのは、豚肉や魚卵、うなぎなどです。
食材全体で見ると含有量は多くはないです。
疲労回復の効果があるとされている山芋類ですが、
こういった代謝に関わるビタミンの含有量は少なめです。
ですので
含有量の多い納豆などの食材と一緒に混ぜて食べることで
糖質+ビタミンB1を一緒に摂取できるので、
疲労回復の効果はあるといえます。
食物繊維
芋といえば食物繊維を思い浮かべる方もいるかもしれません。
山芋にも食物繊維は含まれています。
種類別の含有量は以下のようになります。
長芋: 1.0g /100g
いちょう芋: 1.4g /100g
自然薯: 2.0g /100g
つくね芋: 2.5g /100g
長芋の含有量は他の山芋類と比較すると
少なめです。
一番多いのは粘りの強い、
つくね芋です。
自然薯にもそれなりに含まれています。
食物繊維は腸内環境を整え、
便通を促す効果もあります。
アミノ酸
アミノ酸の一種であるアルギニンやアスパラギン酸を
豊富に含むとされています。
「アルギニン」 には、生殖能力を高めたり、成長ホルモンの分泌を促進したり、
疲労回復、免疫力のUPに効果があるとされています。
「アスパラギン酸」 は、アンモニアを解毒したり、
疲労回復の効果があるとされています。
これらのアミノ酸は疲労回復にも効果があると
されていますが、
山芋に含まれている分量は以下の通りです。
~アルギニン~
長芋: 190mg /100g
いちょう芋: 610mg /100g
自然薯: 250mg /100g
つくね芋: 580mg /100g
~アスパラギン酸~
長芋: 160mg /100g
いちょう芋: 440mg /100g
自然薯: 270mg /100g
つくね芋: 390mg /100g
数値だけ見ると、ちょっとわかりにくいのですが、
長芋や自然薯よりも、
いちょう芋やつくね芋の方が含有量は多いです。
ちなみに山芋類は食材の中では
これらのアミノ酸は多いというわけではないです。
アルギニンは、魚介や肉類、大豆製品に多く
アスパラギン酸も同様に大豆製品や魚介類、ナッツ類などに
多いです。
山芋類の含有量は多いわけではないですが、
アミノ酸も疲労回復効果があるといわれる一つの理由ではあります。
消化酵素・アミラーゼ
山芋類には消化酵素であるアミラーゼが
豊富に含まれています。
アミラーゼはでんぷん分解酵素であり、
アミラーゼが含まれているために
山芋を生で食べても消化・吸収 が良いです。
そのため胃もたれなどの症状は起こりません。
他のでんぷんが多いものは、
生で食べると胃腸を刺激し、腹痛や下痢の
症状を起こす人もいます。
そしてこの消化酵素は「生の状態」でしかも
「すりおろした状態」が最も活性が良いと
されています。
加熱してしまうと働きが弱くなります。
なので山芋とろろにすることでアミラーゼの活性を
最も強く発揮することができるのです。
普段から胃腸が弱いというような方は、
山芋を食べる際は、とろろにして食べる方が
胃もたれしにくいといえます。
消化・吸収の良さから、疲労回復・滋養強壮への
効果も期待されています。
粘り成分
山芋には粘り成分がありますが、
この粘り成分は
・便通を良くする
・血糖値の急激な上昇を防ぐ
などの効果があるとされています。
山芋に含まれている食物繊維との相乗効果で
便秘を解消する他、
血糖値の上昇を防ぐので、糖の吸収を抑え
糖尿病の予防に効果もあると
されています。
また山芋類に含まれる
サポニンには、余分な脂質の吸収を抑える 働きがある他、
抗酸化作用もあります。
このように山芋とろろには様々な栄養・効能が
期待できるといえます。
山芋の種類によって、多少含まれる成分が
変わってくるので、摂取する山芋の種類を変えてみるのも
良いかと思います^^
粘りがお好きな方は、
値段も手ごろで、自然薯並に粘りの強い
やまと芋がおススメです。
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★いちょう芋に関してはこちらもどうぞ
大和芋の食べ方はどうする?皮むきは?
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まとめ
今回は、山芋とろろの栄養や効能をテーマにして
まとめてみました。
山芋とろろには様々な栄養が含まれています。
同じ山芋でも、実は含まれている栄養が少し
違うので、得られる効能も成分によって
多少変わってきます。
長芋は水分量が多い分、栄養成分は少なめ。
粘り気の強い芋類の方が、栄養価は高いといえます。