変色

山芋(長芋)が変色!防ぐには?茶色や黒でも食べられる?

山芋(長芋)の変色についてご紹介します。

山芋の変色を防ぐにはどうすれば良いでしょうか。
また黒や茶色に変色した場合でも食べられるのでしょうか。

山芋(長芋)の変色についてまとめていきます。



山芋(長芋)が変色!原因は?

山芋は、山に自生している芋をさします。

日本では昔から食べられています。

スーパーで主に販売されている山芋は、長芋・大和芋が多いかと思います。

関東ではいちょう芋を大和芋・関西では、つくね芋を大和芋と呼ぶこともあり、呼び方は地域によって異なることもあります。

家庭でも多く食べられている山芋は、「とろろ」にされることもありますが、すりおろしてみると、変色していることがあります。

変色していると、「これは食べられるのか?」と不安になりますよね。

基本的に、すった後に変色したのであれば、食べても問題ありません

山芋に起こる変色は、主に「酵素的褐変反応」 であるといえます。

山芋には、アミノ酸の一種である「チロシン」やポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」が含まれているとされています。

これが酵素であるポリフェノールオキシターゼ(チロシナーゼ)の働きによって、酸化し、褐変することで起きる現象です。

画像引用元:http://ueo.pupu.jp/blog/archive537-tororo/

黒く変色するのは、主にチロシンがチロシナーゼの働きにより、メラニンが生成されるのが原因とされています。

ですので、すりおろして、変色してしまった場合でも、芋自体が悪くなっているというわけではないです。



山芋が黒や茶色に変色しているのは食べられる?

山芋をすりおろして変色してしまうのは、ポリフェノールが原因であり、酵素的褐変という食材の成分によって起こる現象ですので、変色してしまっても食べられます

なお、黒や茶色だけでなく、黒紫やピンクっぽく変色することもあります。

見た目が悪くてとろろは難しいという方は、つなぎとして利用したり、とろろ焼きにしてしまってください。

この酵素的褐変というのは、他の野菜や果物でもよく起こる現象であり、りんごやバナナ、もも、ごぼうなどでも起こります。

りんごを切った後に、塩水に漬けておくのが当たり前になっている方も多いと思いますが、塩水につけるのは、りんごに含まれる酵素による変色を防ぐためです。

そして、山芋が変色してしまうのは、山芋の種類や管理によっても変わってきます。

山芋の種類

山芋の中でも多く食べられているのは、長芋ではないかと思います。

長芋は、山芋の中では変色しにくく、自然薯の方が、すりおろしたときに変色しやすいといわれています。

また、家庭菜園でも山芋は栽培可能ですが、成熟していない状態で収穫してしまうと、長芋の中にポリフェノール類が多く存在し、すりおろしたときに、変色しやすくなる原因となります。

長芋を育てている方は、葉先まで葉が黄変したり、枯れたりしたのを確認してから収穫してみてください。

山芋の管理

一般に山芋の保存適温は 2~5℃ 程度の低温とされています。

ですので、保存は冷蔵保存が最適なのですが、山芋を保存する温度が高いほど、変色が起こりやすくなるとされています。

山芋は、冷暗所(~14℃)でも保存可能ですが、低温管理が理想です。



山芋の変色を防ぐには?

先ほど説明したように、山芋の変色の原因は、「酵素」によるものですので、この酵素の働きを止めてしまえば、変色は起こりません。

この酵素の働きをとめるには、

・水につける
・食塩水につける
・酢水につける
・加熱処理をする
・低温で貯蔵する

などをすることで、酵素の働きをとめることができます。

山芋の変色を防ぐにはどうすれば良いのかというと、「水」もしくは「酢水」につけるのが有効です。

酸素にふれないようにすれば、酵素の働きをとめられるので、水につけるだけでも大丈夫ですが、酢水につけた方が良い とされています。

それはなぜか・・・というと山芋には「シュウ酸カルシウム」という成分が含まれており、これが針のような構造をしているので、手にふれると、かゆくなります。

シュウ酸カルシウムはアルカリ性であり、酢水と反応すると、結晶が溶解して、かゆくならなくなります。

なので、山芋は酢水につけると良いのです。

手順としては、皮むき→酢水につけるという手順です。

山芋の表面をよく洗ったら皮をむき、そのあと、酢水に5~10分 ほどつけておきます。

酢水は3%の濃度で。
(水1ℓに対して酢大さじ1~2杯分)

酢水につけたあとは、細かく切ったり、すりおろしたりして調理可能です。

長芋は実際変色しにくい

スーパーで山芋として販売されている長芋ですが、実際変色することは少ないといえます。

最近では、貯蔵管理がしっかりされている点、またしっかり完熟になった長芋が収穫されているためだと思います。

実際、市販の長芋を使って変色するか試してみました。

①切ってそのまますりおろしたもの
②酢水に5分つけてからすりおろしたもの

で試します。

切ってそのまますりおろしたものは、すりおろし初めても変色は見られませんでした。

酢水に5分つけてすりおろしたものです。

同様に、変色は見られません。

 

①切ってそのまますりおろしたもの

②酢水に5分つけてからすりおろしたもの

どちらも白いお皿で比較してみましたが、特に違いはみられませんでした。

そのあと時間が経過しても変色は特に見られません。

というわけで、酢水につけても、つけなくても変わらないという結果に。

実際、長芋で変色をみることは少ないといえます。

ただ自然薯などの山芋では変色が起こることがあるので、あらかじめ酢水につけておいた方が良いです。

山芋(長芋)の変色まとめ

今回は、山芋(長芋)の変色をテーマにしてまとめてみました。

山芋は、酵素の働きによって、酸素にふれると変色することがあります。

特に、すりおろすと酸素にふれやすくなるので、変色しやすくなりますが、腐っているわけではないです。

長芋よりも自然薯の方が変色しやすいです。

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