じゃがいもは、1年中食べられる食べ物ですし、様々な料理に利用されています。
そんなじゃがいもですが、保存方法によってはピンクに変色してしまうこともあります。
じゃがいもがなぜピンクに変色するのか、大丈夫なのかまとめていきます。
じゃがいもがピンクに変色しているものは大丈夫?
じゃがいもを切ったときに、じゃがいもがピンクに変色してしまっていることがあります。
この変色してしまったじゃがいもを食べることはできるのでしょうか。
結論からいうと、ピンク色に変色したじゃがいもも食べることができます!
毒などではなく、じゃがいもの生理障害が原因です。
実際、私も保存しておいたじゃがいもがピンク色に変色してしまって、、加熱調理をして食べましたが、全く問題ありませんでした。
では、なぜじゃがいもがピンク色に変色してしまうのでしょうか。
じゃがいもがピンク色に変色する原因
土壌中の生理障害
まず1つ目の原因と考えられるのが、土壌中の生理障害です。
じゃがいもを育てている際に、急に寒くなったり、何らかの土壌の変化があると稀にじゃがいもがピンク色に変色することがあります。
これは、じゃがいもに含まれているアントシアニンが原因です。
アントシアニンというのは、ポリフェノールの一種であり、ナスの皮の色だったり、ブルーベリーの色ですので、食べても問題ありません。
通常、アントシアニン含有量が増加してピンク色に変色することは稀ですので、遭遇することは珍しいです。
スーパーのじゃがいもで、ピンク色のものに遭遇するのではなく、おそらく家庭菜園で栽培しいているじゃがいもや道の駅などで販売されているもので遭遇しやすいかと思います。
実際、私は家庭菜園で育てたじゃがいもでピンク色になっているものに遭遇しています。
保存中の低温障害
土壌中の生理障害のほかに、じゃがいもがピンク色に変色してしまうのは、【低温障害】が考えられます。
低温障害というのは、野菜や果物を低い温度帯である冷蔵庫に保存してしまうと、見た目が変色したり、褐変が、斑点などがでる症状をさします。
場合によっては、ぐにゃぐにゃと柔らかくなってしまうことがあります。
じゃがいも以外にも、ナス・きゅうりなどの夏野菜で特に発生しやすいです。
野菜や果物は、なるべく育った環境に近い場所で保存した方が良いです。
こちらは、貯蔵環境を整えることで改善することができますので、対処法をお伝えします!
じゃがいもがピンクに変色するのを防ぐ方法
じゃがいもの保存方法によるピンク色への変色は防ぐことができます。
それは、野菜室にいれて保存することです。
というのも、じゃがいもの保存適温は10~13℃といわれています。
通常、冷蔵庫の温度帯は、2~5℃程度とされており、じゃがいもの保存適温よりかなり低いのです。
寒い冷蔵庫で保存しておくとどうなるかというと、低温障害を起こし、最初はピンク色に変色していたものが、やがて陥没のようなものが表面にでき、さらには中止部が黒く変色するようになります。
冬場は常温保存でも問題ないのですが、夏場はどうしても暑くなってしまうので、野菜室にいれて保存しておくのがベストです。
これで半年くらいは日持ちします!
野菜室がない場合
野菜室がない場合は、じゃがいもの低温障害をあらかじめ防ぐために、じゃがいもを新聞紙でつつみ、ポリ袋にいれて、軽く口をしめるようにして、冷蔵庫で保存します。
新聞紙なしですと、直接冷気が当たって低温障害を起こしやすくなるので気をつけてください。
料理中にピンクになったじゃがいもはあく抜きを
調理するためにじゃがいもを切って、そのまままな板に置いていたときに、ピンクになった場合は、低温障害ではなく、じゃがいもの成分が原因です。
じゃがいもに含まれるチロシンという成分が、チロシナーゼという酵素の影響により、空気に触れてメラニンを生成します。
この反応により、じゃがいもがピンクのような紫のような色に変色してしまいます。
じゃがいもの切断面が空気に触れないように、切ったらすぐに水につけておくと変色を防止することができます。
じゃがいもで緑色に変色している場合は要注意!
じゃがいもがピンクに変色している場合は、大丈夫なのですが、じゃがいもの皮が緑色になっている場合は注意が必要です。
じゃがいもの皮が緑色の場合は、ソラニンやチャコニンというアルカロイド系の毒性のある物質が含まれている可能性があります。
というのも、じゃがいもの芽には、これらの毒性物質が含まれているのですが、太陽の光が当たって、緑化したじゃがいもの皮にも、ソラニンやチャコニンといった毒性物質が多く含まれます。
緑化したジャガイモをそのまま食べてしまうと、食中毒を起こす危険性があります!
少量でも摂取すると、腹痛・嘔吐・下痢などの症状を引き起こしてしまうので、もし緑色の皮のじゃがいもがあったら、なるべく深く皮を削るようにしてください。
芽の部分は1cmほどえぐりましょう。
緑色に変化したじゃがいもに関してこちらでも説明しています。
こちらもきちんと処理すれば食べられますので、ご安心ください。
保存の段階で変色⇒低温保存を防ぐ
切った段階で変色⇒水につけてあく抜きをする
皮が緑色⇒皮や芽をよく取り除いて調理する
じゃがいもがピンク色をしているのは品種の可能性も!
じゃがいも切ってみて、全体がピンク色をしている場合は、生理障害や低温障害などではなく、そもそもピンク色のじゃがいもの可能性もあります。
以下のものはアントシアニンを多く含む品種であり、ピンク色をしているのが特徴です。
赤いノーザンルビー
じゃがいものノーザンルビーという品種は、サツマイモのように赤い皮の色をしており、さらに中身も赤い色をしているのが特徴です。
見た目はさつまいものようですが、あっさりしてホクホクした味わいであるのが特徴です。
紫色のシャドークイーン
シャドークイーンは、ノーザンルビーよりもアントシアニンを多く含んでいるため、皮も中身も紫色なのが特徴です。
こちらは、一般的なじゃがいもとは異なり、加熱することでさつまいものように、ねっとりとした食感になるのが特徴です。
シャドークイーンも、ノーザンルビーも品種によって色がピンクっぽくなってしまっているだけなので、品質に問題はありません。
じゃがいものピンク変色まとめ
じゃがいもがピンクに変色している場合は、たまたま育ったときに低温になるなどの生理障害が発生したか、もしくは低温障害が考えられます。
いずれにしろ、カビなどのわけではないので、安心して食べられます。
また、切ったじゃがいもがピンク色に変色してしまうのは、チロシンという成分が酸化によってメラニンを生成するために起こります。
こちらも食べても問題ありませんが、あらかじめあく抜きするのが大切です。
ピンク色の変色は問題ないですが、皮が緑になったじゃがいもには注意が必要です。