アレルギー

子供は銀杏で注意!食べ過ぎは中毒に!いつからならOK?

今日は子供と銀杏をテーマにしていきたいと思います^^

秋になると家族で銀杏拾いに出かける方もいると思います。

あのもちもち食感はついつい食べ過ぎてしまいますよね。

よく「小さい子供は銀杏中毒になるからNG!」といわれますが、子供さんの場合は何歳から食べれて何個までなら大丈夫なのでしょうか。

子供の銀杏中毒にについてまとめていきたいと思います。



子供は銀杏を食べると食中毒になる?

大人も子供も昨日の夜、茶碗蒸しに入っていた銀杏を食べたから中毒になるということはありません。

銀杏で中毒をおこす原因は大人も子供も食べる量にあり、とくに子供の場合食べる個数と年齢が大きく関係しています。

銀杏には「ギンコトキシン」という物質が含まれて、この物質がビタミンB6と構造がよくにているために、食べ過ぎてしまうとビタミンB6の働きを阻害し、その結果ビタミンB6欠乏症として現れるのがぎんなん食中毒です。

なので食べる量と年齢に注意すれば、子供も銀杏はOKです。

ただ個数には注意しないといけません!

子供は銀杏を何個食べれるの?

子供といっても範囲が広いですよね。

日本中毒情報センターによると小児は7個未満、成人は40個未満が中毒を起こさなかった範囲とされています。
※日本中毒情報センター http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70067_0100_2.pdf

ということは、小児までは6個大丈夫という事になるのですが、情報センターでは基礎疾患やビタミンB6欠乏の程度も関係すると思われ特に小児は注意が必要と呼びかけています。

子供さんの体重や成長は人それぞれで、その時の栄養状態もちがうのでこの数はあくまでも目安だという事を覚えておきましぉう。

大人は40個未満とありますが、20個しか食べてないのに中毒になってしまった、という症例もあるので少なめに食べることをおすすめします。

ダイエットで栄養が偏っている方や、抗生物質を続けて飲んでいる方(潜在的にビタミンB6欠乏状態になっている可能性があります)などは注意が必要です。

少児というのは何歳?

少児は、7個未満とされていますが日本の定義によると「小児」は、おおよその目安で15歳未満になっています。

おおよそというのは法律の観点や児童福祉法など、その立場で定める年齢がちがうためです。


銀杏のような食べ物の場合、薬を処方する時に15歳未満の小児に与えられないものもあることから15歳未満となっています。※幼児・乳児も含めての総称で15歳未満を小児とあらわす事が多いようです。

※厚生労働省医薬品の適正使用(小児等に用いる年齢区分)
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/pdf/11yakuji_ch05.pdf



子供はいつから銀杏を食べられる?

では具体的に何歳になったら何個食べても大丈夫なのでしょうか。

研究機関によると以下の数値の記述があります。

1歳~5歳・・食べない方がよい
6歳~9歳・・2個まで
10歳~14歳・・6個まで

※「ギンナンの種中毒」研究機関:京都民医連中央病院の小児科
※北海道医療大学 銀杏研究紹介
https://yumenavi.info/douga/t8845/doc/35358.pdf

実際に報告された症例で年齢が判明しているデータによると、銀杏中毒は 1歳~5歳 までが68.9% 6歳~9歳 までが10%となっていて、9歳以下の子供さんが最も多く、また小さいお子さんほど重症度も高いという事がわかっています。

子供さんの場合は知らないうちにたくさん食べていたという事もあるので、大人が側にいて注意するよう心がけましょう。

子供の銀杏中毒の症例

厚生労働省によると2010年までに128例の報告があり、その中で年齢がわかっている食中毒報告事例は90例で、実際の症例をいくつか年代順にご紹介します。

年度・・昭和18年
年齢・・9歳7ヶ月  男子
経緯・・銀杏574個を食べ4~5時間後、けいれん、嘔吐顔面蒼白、呼吸困難をおこしその後亡くなる。

昔は食べ過ぎが中毒になるという知識がなく、このようなことも起こってしまったようです。

年度・・昭和28年
年齢・・2歳   男子
経緯・・銀杏15個を食べ5時間後にけいれん、意識混濁、不整脈その後亡くなる
年度・・昭和42年
年齢・・13歳1ヶ月 男子
経緯・・銀杏約50個を食べ4時間後に顔面蒼白、けいれん、意識混濁、嘔吐。

※銀杏中毒報告例 https://core.ac.uk/download/pdf/148416310.pdf

年度・・ 昭和62年
年齢・・1歳11ヶ月 男子
経緯・・午後2時頃30個銀杏を食べ午後5時30分頃嘔吐、けいれん、意識混濁。

※銀杏中毒 https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1405204711?p=firstTab&englishFlg=2

年度・・平成17年
年齢・・2歳11ヶ月 男子
経緯・・午後11頃父親と一緒に銀杏24個食べた後就寝、翌朝5時頃けいれんと脱力、嘔吐、救急車で来院。
年度・・平成19年
年齢・・4歳   女子
経緯・・16時頃に銀杏を30~40個食べ夕食後嘔吐。21時20分に顔面蒼白になりけいれん発作。

※厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/h1225-4e.html

年度・・平成24年
年齢・・2歳  女子
経緯・・銀杏20個を食べ11時間後けいれんの群発。
年度・・平成24年
年齢・・2歳3ヶ月  男児
経緯・・銀杏70個を食べ2時間後けいれんの群発。

※日本小児科学会茨城地方会 http://plaza.umin.ac.jp/jps-iba/files/program99.pdf

年代順に並べてみると、昭和30代以前には子供に限らず大人でも亡くなったという事例があり、現代とちがって食糧難の時代が関係していると考えられています。

また、銀杏で食中毒がおこるということが広く知られていなかった事も要因のひとつであると考えられます。

※食中毒を起こした後、病状は回復しています。



銀杏の食中毒の症状

銀杏摂取後1~12時間で発症し90時間(約半数は24時間以内に回復にむかいます。
※(14時間、23時間後に発症した症例もあります)

主にけいれんを主症状として、意識混濁、呼吸困難や嘔吐、不整脈などをともない、数分~30分ぐらいの間にけいれんが反復するのが特徴です。

銀杏食中毒になってしまったら

銀杏で食中毒になってしまったら、けいれんを誘発してしまう恐れがあるので、無理にはかせてはいけません。

また、中毒が起きた時やたくさん食べてしまった時など症状がなかったとしても安易に対処すると危険なので、すぐに医療機関を受診しましょう。

お子さんがどのくらいの量の銀杏を食べたか、また摂取時間、発症時間、その時のお子さんの様子や症状を、詳しくお医者さんに伝える事が大切です。

正確な情報があれば、お子さんにとって最善の治療をはやく行うことができます。

子供と銀杏まとめ

今回は子供の銀杏食中毒についてまとめてみました。

子供さんに限らず、大人も美味しいと思うとついつい食べ過ぎてしまいます。

お子さんが大人になった時に銀杏が苦い思い出の食べ物にならないよう
大人が配慮することが大切ですね。

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