今回は銀杏が臭い理由をテーマにしていきたいと思います^^
銀杏は美味しいけど、あの強烈な臭いはたまらないですよね。
間違えて踏んでしまって、靴の臭いがとれない!なんてこともよくあります。
イチョウの木が遠くにあっても漂ってくるあの臭いの正体はなんでしょうか。
銀杏の臭いの理由とその臭いを消す方法も含めてまとめていきたいと思います。
銀杏の臭い理由
なぜ銀杏は臭いがするのでしょうか。
イチョウは「公孫樹」とも書きます。
その理由は、実がなるまで長い年月がかかり、孫の代になってやっと実がなることが由来といわれています。
イチョウの木は生きた化石といわれるほど、長い歳月生き続けてきました。
今のイチョウの木とは少し形がちがいますが(葉が大きく広がり背丈もはるかに大きい)中生代のジュラ紀、恐竜たちがまだ生きていた時代には、すでに存在していたのには驚いてしまいますね。
草食恐竜がイチョウの実を食べて、種をあちこちに広げたと考えられていますが、その中でイチョウの木になるのは限られています。
そうならないためにイチョウが子孫を残すための防衛策として、動物に食べられないよう臭くなったのではないかという説があります。
いちょうの実は木になっている状態では、くさい臭いはほとんどしませんが実を軸からとると一気に強烈な臭いが発生します。
イチョウ自体が食べられないように、長い年月をかけてあみだした防衛本能なんですね
ではあのくさい臭いの正体ななんでしょうか。
銀杏の臭い成分はなに?
銀杏の臭い成分は主に「酪酸」と「ヘプタン酸」によるものです。
銀杏は種なので、周りの部分(外皮)が塾してくるとあの臭いを放ちます。
酪酸
酪酸とは脂肪酸カルボン酸の一つで「ブタン酸」とも呼ばれています。
特有の臭いをもちバターやチーズ、人間の皮脂などにも含まれています。
水溶性の油状の液体で、あまりの臭さに「特定悪臭物質」として規制対象にあるようです。
臭いの特徴は人それぞれ感じ方はちがいますが、人間の皮脂にも含まれているので、足の裏のくさい臭いやおならのにおいがまざった臭いと表現される方が多くみられました。
たとえ方は人それぞれなのですが、とにかく強烈なにおいにはまちがいありませんね。
ヘプタン酸
別名エナント酸といい強烈な腐敗臭を放つ油状の液体で、腐った油の臭い成分の一部です。
香料として使われるヘプタン酸エチル(ワインに似た強い果実の香りをもち香料などに用いられる)などの合成に用いられます。
あの強烈な臭いが食品香料のフレーバーになるとは驚きですね。
どちらにしても、ダブルで臭い成分が含まれているので、イチョウの木の近くを通っただけで臭いと思うのは当たり前です。
銀杏の臭い時期はいつ?
銀杏の臭い時期はいつ頃なのでしょうか。
銀杏は早いもので7月には淡い緑色の実をつけます。
よくみかけるイチョウの実が黄色になる時期は、地域にもよりますが7月~8月頃で、この頃はまだ塾していないのでそんなに臭いもしませんし、イチョウの葉もまだ青いです。
本格的に塾しはじめるのは9月~11月半ば頃で、塾した実が地面におち、あの強烈な臭いが漂いはじめるんです。
この頃になるとイチョウの葉は黄色になり、11月の初旬頃から葉も落ちはじめます。
銀杏の臭いを消すには?
イチョウ並木を歩いていたら、うっかり銀杏をふんでしまって靴の臭いがとれない!なんて経験ありませんか?
あの強烈なにおいはなかなかとれません。
そんな時はどうしたらよいでしょうか。
じつは、身近なもので臭いをおとす方法があるのでご紹介しますね。
臭い消しには重曹!
靴などについてしまったら、まず銀杏を取り除くことが大事なのですが、ここで気をつけなければならないのは、銀杏の果肉には「かぶれ」をおこす成分が含まれています。
うっかり触ってかぶれてしまった・・なんて事がないよう、取り除く時は手袋をするなどして素手で触らないよう気をつけてくださいね。
取り除いたら水で洗い流します。
ある程度洗い流してもきれいには臭いがとれないので、ここで重曹の出番です。
重曹スプレーはドラックストアやスーパーまた100均などに売られていて、手軽に買うことができます。
臭いのついた部分に重曹スプレーを2~3回ふきかけます。
そのあと5~10分ほどたったら水で洗い流します。
これで完了です。
洗えない生地やいたみやすい生地の場合は、布にスプレーをして臭い部分をうかせるようにやさしく押さえます。最後に水拭きして完了です。
※注意する事※
重曹の成分が白く残るので最後に水ぶきをしてくださいね。
重曹でにおいがとれる理由は?
銀杏の臭い成分は弱酸性の性質をもっています。
重曹は弱アルカリ性なので、中和反応によって臭いをおさえることができるんですね。
中和することで揮発しにくい物質に変化して臭いがしなくなるというわけです。
因みに、この重曹スプレーは簡単に作ることが出来るので、作り方を覚えておくと、とても重宝します。
他にも、冬にはかかせないブーツなどの消臭効果や、キッチン周りや冷蔵庫の中のお掃除などにも威力を発揮してくれます。
作り方はとても簡単で、100mlのお水に対して小さじ1の重曹を加えてよく混ぜてスプレーボトルにいれるだけです。
※注意する事※
・水も腐ります。一度にたくさん作らず短期間に使い切る量をつくりましょう。
・分量を量って作らないと溶け残ってしまって汚れの原因になるので気をつけてくださいね。
・畳などの天然素材のものは畳の色を黄ばませてしまうのでつかえません。
・トイレやお風呂の水周り(排水溝の周りはOK)には効果がないので気をつけてくださいね。
銀杏の臭いまとめ
今日は銀杏の臭い理由についてまとめてみました。
あの強烈な臭いを洗い流して、きれいな状態で出荷されている銀杏農家さんには頭がさがります。
そう考えると銀杏をありがたく、おいしく食べないとバチがあたってしまいますね。