今日は「むかご」の栄養と効能についてまとめていきたいと思います^^
秋になると、いろんな食べ物が美味しい季節ですね!
野山にはたくさんの自然の恵みがあります。
栗やきのこ類、柿など、「むかご」もそのひとつです。
あまり聞きなれない野菜ですが、どんな栄養や効能があるのでしょうか。
むかごの栄養と効能についてまとめていきたいと思います。
栄養価で注目!むかごとは?
そもそも「むかご」とはなんでしょうか。
むかごはヤマノイモ科の葉の付け根にできる球芽のことを言います。
むかごは、葉が肥大化して出来たもの(麟芽)と、
茎の一部が丸く太ってできたもの(肉芽)があります。
「麟芽」は球根の形、「肉芽」は丸い小さなお団子の形
をしているのが特徴です。
食べ物として「むかご」と呼ばれているのは、
一般的に「肉芽」のヤマノイモ・長いもなどの山芋類のことを言います。
麟芽にはオニユリなどがあります。
このむかごを食用にすることは、あまりありませんが
むかごから育ったオニユリの球根は「百合根」として食べられています。
山芋と長いもの違いとは?
山芋は、正式な名前を「ヤマノイモ」といい
山で自生する「自然薯」のことを指します。
日本原産で、粘りが強く風味を独特です。
長いもは、中国が原産でさらさらと水分が多いのが特徴です。
植物学上では染色体の数が異なり、自然薯とは別種になります。
「大和いも」は、長いもの変形種なので長いもと同じ部類にはいります。
ただ山芋の種類は多いので
「ヤマトイモ科」に属する芋類の総称として
「山芋」と呼ばれることも多いようです。
そんな山芋からできた「むかご」と
山芋自体に栄養の違いはあるのでしょうか?
むかごの栄養と効能!栄養価はそんなに高くない?
むかごの栄養は以下になります。
今回はスーパーでよく売られている
長いもと野性に自生している自然薯で比べてみました。
むかご(30g) | 長芋(30g) | 自然薯(30g) | |
エネルギー(kcal) | 28 | 20 | 36 |
タンパク質(g) | 0.9 | 0.7 | 0.8 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 | 0.2 |
炭水化物(g) | 6.2 | 4.2 | 8.0 |
食物繊維(g) | 1.3 | 0.3 | 0.6 |
カリウム(mg) | 171 | 129 | 165 |
カルシウム(mg) | 2 | 5 | 3 |
鉄分(mg) | 0.2 | 0.1 | 0.2 |
亜鉛(mg) | 0.1 | 0.1 | 0.2 |
βカロテン(µg) | 7 | 0 | 2 |
ビタミンB1(mg) | 0.03 | 0.03 | 0.03 |
ビタミンB2(mg) | 0.01 | 0.01 | 0.01 |
ビタミンB6(mg) | 0.02 | 0.03 | 0.05 |
ビタミンB12(µg) | 0 | 0 | 0 |
ビタミンK(µg) | 0 | 0 | 0 |
ビタミンC(mg) | 3 | 2 | 5 |
葉酸(mg) | 6 | 2 | 9 |
ビタミンE(mg) | 0.1 | 0.1 | 1.2 |
※ 日本食品標準成分表より
※ むかご1個の重さが約1.5gなので、100g計算にすると
一食で66粒食べることになります。
ちょっと無理があるので、今回は30g(約20粒)にしました。
それぞれの栄養を比べてみると、
ミネラル・ビタミン類ほとんど含まれてなく
又、他の栄養素からみても、そんなに差がないことがわかります。
ただ、カリウム、葉酸、食物繊維などは長芋よりも多く含まれています。
どんな効能があるのか詳しくみていきましょう。
高血圧予防・脳卒中の予防・むくみ予防
カリウムはナトリウムとバランスを保ちながら、
身体の中を一定にしたよい状態に保ったり、
ナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑える働きがあります。
また筋肉を正常に保つ効果もあります。
カリウムの含有量は、自然薯や長芋よりも多いです。
元からイモ類にはカリウムが多く含まれているので、食品の中でも含有量は多いといえます。
貧血予防・胎児の健全な働きを助ける効果
葉酸は赤血球の細胞の形成を助けたり、
胎児の正常な発育に役立つ大切な役割をします。
妊娠初期の女性が十分に摂取すると、
胎児の神経官閉鎖障害のリスクを軽減することができます。
食事摂取基準量は、成人女性の場合1日 240μg ですが
妊婦さんの場合は1日 400μg の摂取が推奨されています。
むかごにも長芋にも含まれてはいますが、かなり少量です。
ですので、しいたけや枝豆、ブロッコリーなどの
緑黄色野菜などに多く含まれているので、副菜にとりいれて
赤ちゃんのためにも積極的に摂取したいですね。
便秘予防・整腸作用・生活習慣病の予防
食物繊維は人の消化酵素で消化することのできない物質です。
便通を整えたり、脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して
身体の外に排出する働きもあるので、生活習慣病の予防に役立ちます。
むかごにも含まれていますが、ごく少量です。(30gで1.3g)
食物繊維は不足しがちな栄養素なので、
少量でもいろんな食べ物から身体に取り入れるようにしましょう!
食物繊維は、ごぼうやかぼちゃなどの野菜に多く含まれています。
このように、むかごをビタミンやミネラルの成分値でみてみると、あまり栄養が含まれていないことがわかります。
イモ類でので、緑黄色野菜と比較するとビタミンやミネラルの含有量は少ないのです。
でも、そんなむかごでも注目すべき栄養があります!
むかごには栄養がある!ビタミンやミネラル以外編
ビタミンやミネラルは少ないむかごですが、栄養が豊富といわれているのには理由があります。
消化酵素アミラーゼ
アミラーゼはでんぷんや脂肪、たんぱく質を含む食べ物の
消化を助ける働きをします。
食べ物が口に入ると胃を通っていく間に
いろんな消化酵素の働きで小さくなり
より吸収されやすい形に変化していきます。
でんぷんなどは、おおきな分子や
分子同士がたくさん集まって大きい塊をつくる性質があり、
そのままの大きさでは腸の壁から吸収されません。
身体の中で栄養分としてとりこまれるためには、
ブドウ糖まで分解されないといけないのですが、
その働きを助けるのがアミラーゼです。
むかごには消化酵素のαアミラーゼが含まれているので
お米などのでんぷんを含む食べ物の消化を助けてくれます。
なので、むかごをごはんと一緒に調理する「むかごご飯」は、消化に良い食べ物であるといえますね。
粘り成分
むかごにはヤマノイモと同じ粘り成分が含まれています。
これは、多糖(マンナン)とたんぱく質の複合物です。
腸内での糖の吸収を遅らせて、血糖値の上昇を防いだり、
余分なコレステロールを排出する働きがあります。
むかごの栄養・効能まとめ
今回はむかごの栄養と効能についてまとめてみました。
全体的に栄養価からみると高いとは言えないですが、
マンナンやアミラーゼのような
むかご特有の効果が期待できるものがあの一粒には含まれています。
むかごはまだまだ研究段階で、わからないことがたくさんです。
ただ、あの小さな一粒一粒に、ヤマノイモと同等の力が備わっているのは驚きですね。
むかごは9月~が旬の時期になります!