しその花がテーマです。
初夏から夏にかけて、薬味などで大活躍してくれた「しそ」ですが、秋のはじまりには花が咲きはじめます。
花が咲いたあとはどうしたらよいのでしょうか。
花も食べられるのでしょうか。
しその花についてまとめていきます。
しその花はいつ咲くの?
夏の終わりになるとしそに花穂がつきはじめます。
植えた時期にもよりますが、 9月の初旬から中旬 にかけてです。これは、しそが短日性植物のためです。
短日性植物とは?
植物は短日性植物、長日性植物、中性植物と大きく3グループにわかれています。それぞれの特徴は以下のようになります。
- 短日性…昼が短く夜が長くなると蕾を形成する (アサガオ・稲・大豆・コスモス)
- 長日性…昼が長く夜が短くなると蕾を形成する(アブラナ・大根・小麦など)
- 中性…昼と夜の長さに影響されずに蕾を形成する(トマト・胡瓜・いんげんなど)
植物は子孫を残すために花を咲かせて、種をつくります。
暑さや寒さに耐えて子孫を残さなければならないので、夜の長さを計って、花を咲かす機能が備わっています。
しそは短日性なので、秋のはじまりに、花が咲き始めるんですね。
夜間によくビニールハウスが電気をつけてる風景があります。
あれは電照栽培といってこの性質を利用したもので、植物にまだ昼の時間が長いですよと、人工的認識させる栽培方法で、イチゴや菊などが作られています。
しその花が咲いたら収穫は終わり?
しその花が咲いてしまったら、どうすれば良いのでしょうか。
基本的に、しその花が咲いてしまっても、収穫することはできます 。
ただ、花が咲いた後に種ができると、しそは子孫を残すことができたと思い枯れてしまいます。
そうなるとしその葉を収穫することはできません。
なので、しその花が咲き始めたらその部分は摘むようにしましょう。
しその花は食べられる?
しその花は美味しく食べる事ができます。
しそは成長に応じて、しその葉、花穂、しその実と、全てが食べる事のできる食材で、しそ栽培だからこその楽しみのひとつです。
食べ方について紹介いたします。
花穂じそ
夏の終わり頃から茎先からニョキニョキととう立ちして花穂(かすい)をつけます。
このしその花穂の部分を花穂紫蘇といいます。
稲穂のように軸にそって、かわいらしい小さな花をたくさんつけます。
赤しそは紫色の花、青しそは白色の花を咲かせます。
市場ではおもに紫色のものが店頭に並び、料理のあしらいや刺身のつまなどに使用されます。
花穂じそは花が3割程度開きかけた状態で収穫しましょう。
花穂じその食べ方
お刺身や料理のあしらいに使うと普段のおかずもグンと豪華になりますよ。
他にも、天ぷらや、薬味、和え物のトッピング、和風のサラダやパスタなどに使うと彩りもきれいで、香りも一緒に楽しむことができます。
天ぷらの場合は、ザルに入れ水洗いし軸のついたまま天ぷらにします。
薬味やトッピングに使う場合は、水洗いした花穂じそを指やお箸で上から下にしごくようにして花を軸からはずしてから使います。
穂じそ
花が咲いた後、しその穂は少しずつ伸びていき、しその花がおちた後、ゴマのような実が入っています。
塾す前の穂先の部分を「穂じそ」といいます。
自然の中ではこの実が塾して種になり、こぼれて畑などに芽をだします。
しその生命力の強さは驚きですね。
穂じそは市場で束で出荷されるので「束穂(たばほ)」とも呼ばれています。
穂じその収穫のタイミング
地域によって差もありますが、 9月の中旬~下旬頃 が収穫の時期になります。
穂に2・3輪花が残っているくらいで、穂自体がまだ緑色のままの状態が収穫の目安です。
軸ごと収穫します。
花が多く残っているとまだ実が少なく、しその実のプチプチ感が足りません。
逆に花が完全に落ちてしまったものは、実が茶色く硬くなって口の中に硬いカラが残ってしまい、食感が悪くなってしまうので気をつけてくださいね。
収穫するときに、1粒穂をとり中身を確認してみましょう。
中の実が黄色みがかった色で指でおした時に、プチッとしたら大丈夫です。
穂じその食べ方
天ぷらやお刺身の薬味などにすると香りや風味を楽しめます。
お刺身の薬味には、しごいた実の部分を醤油にいれて食べると、さわやかなしその香りで食欲をそそります。
また、しその実の部分は佃煮や塩漬け、醤油漬けにすると長期保存もできてお料理の幅も広がりますね。
しその実の下処理の仕方
穂じその実としその実の違いですが、しその実は花穂が成熟して実を結んだもの、指ではじいて香りをだし、香り漬けや塩漬け佃煮に加工されたりするという記述がありましたが、穂じその実をしその実ということが一般的に多いようです。
※野菜の知識(丸果石川中央青果)
http://www.maruka-ishikawa.co.jp/vegetables/items006/perilla.htm
下処理の仕方を簡単に紹介していきます。
- 穂じそを大きめなボールにいれて軽く水洗いします。
- 穂じそを手に持ちしごきとるようにしてしその実をとります。
- ボールの中でじゃぶじゃぶ洗います。2・3度洗うと細かいゴミや隙間に入り込んだ小さい虫などがとれます。
- ザルにとって下処理の完了です。
しその実の下処理のポイント
指先にあくとしその色がついて汚れるので、手袋をするとよいです。
しその実はあくがあるので、エグ味と多少の苦味があります。
お好みなので、あく抜きをしなくても食べれますが、あく抜きをすることで、苦味としその実の中の小さなゴミや細かい土などもきれいにとることが出来るのであく抜きすることをおすすめします。
しその実のあく抜きの仕方
あく抜きの仕方はいろんなやり方がありますが、今回は湯通しするやり方をご紹介します。
- 沸騰したお湯に塩をひとつまみ(小さじ約1/2)程度いれたら下処理して、ザルにあげておいたしその実をいれサッと湯通しします。
- すぐに冷水で冷やし、そのまま 20分~30分 おいてあく抜きをします。
- 20分~30分たったら、ザルにあげて水気をきれば、あく抜きの完成です。
しその実の塩漬け
あく抜きしたしその実は塩漬けにしておくと長く楽しむことができます。
- あく抜きしたしその実は水気をよくふき取りパラパラした感じになるようにします。
- 保存瓶は煮沸消毒をしておきます。
- しその実の重さに対して 30% の塩をしその実全体にまぶし瓶にいれます。
- これで完成です。このまま冷蔵庫で保管します。
塩は多めの方が長持ちしますが、塩分が気になる方は20%にしても大丈夫です。
冷蔵庫で半年長期保存が可能です。
食べる時は塩だし(水にうるかして、何度かお水をかえる)して使います。
いろいろと使えて便利です。
しその花まとめ
しその花についてまとめてみました。
しそは成長の段階でいろんな楽しみができる優秀な食材です。
しその実の塩漬けは、おにぎりや浅漬けをつけた時に少しくわえると風味がまします。
塩だしして和風のパスタにいれたり、かきあげにいれても、美味しいです。
しそに関してはこちらもどうぞ
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