今日は、干し椎茸を早く戻す方法をテーマにしていきたいと思います^^
美味しいおだしがたっぷりでる干ししいたけですが、
長期保存もできるし、使いたい時にさっと使えるので、
とっても便利で、戸棚に常備しているご家庭も多いのではないでしょうか。
ただ難点は戻すのに時間のかかることですよね。
そんな時に役立つ、早く戻す方法をご紹介します。

干し椎茸を早く戻す方法とは?
だしをとる際は、かつおだし・昆布だし・しいたけだしなど、
魚介だけでなく、きのこからもだしを取りますよね。
それぞれ旨味成分が含まれているのですが、
分けると3タイプに分かれます。
・グルタミン酸(L-グルタミン酸ナトリウム)
・イノシン酸(5-イノシン酸)
・グアニル酸(5-グアニル酸)
この中でもしいたけには、グアニル酸という旨味成分が
多く含まれています。
グルタミン酸は昆布だしに
イノシン酸はかつおだしに多く含まれています。
うまみ成分を合わせることで、
相乗効果により、さらに美味しくなるとされています。
私は、昆布だしをよく使いますが、
かつおだしと混ぜ合わせることで、
さらに旨味がUPするというわけです。
煮物や汁物、茶碗蒸しなど様々な料理に使われるしいたけだしですが、
どのように戻して使えば良いでしょうか。
干し椎茸を水で戻す場合
では、まず水で戻す方法を紹介致します。
1⃣軽く流水で洗った干ししいたにひたひたの水を入れます。

2⃣タッパーに入れて1時間冷蔵庫にいれます。

3⃣一度取り出し、好みの大きさに切り再び冷蔵庫に30分程度もどします。

30分後はこんな感じになります。

切ったことで、より水を吸いやすくなりました。
ポイント①
ししいたけを戻す時に気になるのが、軽いので水に浸けておくと
どうしても浮いてきてしまいますよね。
そうすると、まんべんなく水分が行き渡らず、うまく戻せないことがあります。
そんな時に役だつのがタッパーです。上から蓋ができるので、
戻し終わって保存する時も、そのまま冷蔵庫に入れておく事ができます。
ポイント②
冷蔵庫に入れて戻すことが大切です。
常温で戻すよりもしいたけの旨味成分が、8倍アップすることが、
科学的にも実証されています。
冷蔵庫にいれるだけで美味しくなるなんてお得ですよね。
干し椎茸をお湯で戻す場合
1⃣軽く洗った干ししいたけをボールに入れて、
ひたひたになるくらいのお湯をいれて、ラップをかけます。

2⃣そのまま15分~30分置いておきます。
30分後、柔らかくなり、これだけしいたけ出汁がとれました。

ポイント①
お湯の温度は60度~70度にしましょう。
温度には注意してください!
お湯の温度が熱すぎても、ぬるすぎても、酵素が大事な旨味成分を
破壊してしまうため、しいたけ本来のポテンシャルを
発揮することができなくなってしまいます。
ポイント②
沸騰したお湯1ℓに、水道の水500mlの割合でボールに入れると、
簡単にだいたい70度のお湯は出来るので、ぬるくなったら
熱湯をたして、温度をさげないようにしましょう。
温度計がなくても、70に設定することができます。
椎茸をレンジで戻す方法は?
では、もっと時間がないという時のために、
椎茸を電子レンジで素早く戻す方法を紹介します。
1⃣干ししいたけの軸を、キッチン鋏などで切るか手でおります。
2⃣軽く洗って、しいたけと同量の水を耐熱容器に入れ、
干ししいたけの傘の裏が水に浸るように並べて、
ラップを水面としいたけを密着させてかぶせます。

3⃣電子レンジで3分加熱します。(500Wの場合)
4⃣レンジから取り出したら、ラップをしたまま15分放置します。

かなりあついので火傷に注意しましょう。
レンジからとりだすと、しいたけ出汁のいいにおいがしてきます♪
これだけ多くの出汁もとれました!
ポイント①
レンジで加熱する場合は、なるべく傘の薄い干ししいたけにしましょう。
どんこタイプの肉厚なものは、戻るのに時間がかかる場合があります。
ポイント②
レンジの場合、傘がやわらかくても芯まで完全に
もどっていないことがあるので、硬い軸の根本部分をチェックして、
様子を確かめましょう。
干ししいたけを早く戻す方法をいろいろご紹介しましたが、
どの方法でも、しいたけの大きさや傘の厚みで戻す時間はかわってきます。
状態をチェックしてから調理するようにしましょう。
ちなみに、お湯とレンジでは、これだけ出汁の取れ方に差があります。
左がお湯・右がレンジです。

ここまでは時短で戻す方法でしたが、時間のある時におすすめする本来の戻し方はどうすればよいのでしょうか。
干ししいたけの戻し方とは?
時間は長くなりますが、理想の干し椎茸の戻し方を
紹介します。
干ししいたけを軽く洗ったら、タッパーに干ししいたけと
ひたひたの水を入れ、冷蔵庫でひと晩ねかせます。

たったこれだけです!簡単ですね。
ポイントは冷蔵庫の温度(5度程度)に時間は10時間(薄めのしいたけは5時間)
を目安にするとよいとされています。
椎茸の旨味成分は水戻しする時の温度で生成される量がかわってきます。
5度を保つことで、旨味成分の素のなるリボ核酸が増えていくといわれていて
5時間がピークになり、その後は横ばい状態になります。
ひと晩というと24時間のイメージがありますが、
そんなことはなく「寝てる間」ぐらいの感覚です。
なので、朝ご飯の準備をするついでに戻しておくと、夕ご飯の準備をする頃には、12時間程度たって戻し終わっています。
忙しい方は、朝のうちに冷蔵庫にいれておくと良いですね!
干ししいたけの戻し汁は?
干ししいたけの戻し汁には、美味しい旨味成分と香りがたっぷり入っています。

上手に利用して、一段アップのお料理を目指しましょう。
茶碗蒸しや煮物、味噌汁やスープなどのだしとして使ったり、
炒め物、洋風のシチューやカレーなど、どんな料理にもあいますよ。
干ししいたけの保存方法は?
干ししいたけは湿気が大敵なので、密封できるチャック袋や
容器に乾燥剤などと一緒に、冷蔵庫で保管しましょう。
戻し汁は、すぐ使わなければ5日ほど保管できます。
それ以上たつと味が渋くなってしまうので、
製氷皿でブロック状にして冷凍保存することをおすすめします。
使いたい時にすぐ使えるので便利ですよ。
干ししいたけを時短で戻す方法についてご紹介してきました。
時短で戻しても、時間をかけて戻しても、戻し汁にはあくと雑味があるので、
一度沸騰させて、あくを取り除いてから使うと、美味しいだしになります。
一番旨味成分を引き出せる温度は60度~70度なので、その辺りを目安に調理すると、各段に美味しいお料理になります。
ちょっとひと手間かけてみませんか?
干ししいたけの「どんこ(冬菇)」と「香信」って?
よくスーパーには干ししいたけの名前が冬菇や香信と
パッケージに書いて売られていますよね。
あれは、しいたけのかさの状態で区別されています。
どんこ
かさが七分開きぐらいの時に収穫したもので、肉厚で、
味、香りともによいのが特徴で、なかでも低温・乾燥の状態で成長したものは特に肉厚で高級とされています。その分お値段もちょっと高めです。
香信
春・秋の、温度も湿度も高い時期に成長したしいたけを
乾燥させたものでかさは薄く、開き気味のものが主です。
どんこよりも低価格で販売されています。
ちなみに今回使用したのは、香信です。
どちらの干ししいたけも、もどし汁はとっても美味しく、うまみ成分がたくさん出ますので、お正月などちょっと奮発して、どんこを使ってみたりするのもよいですね。
干ししいたけの戻し方まとめ
干ししいたけの戻し方は様々ですが、
時間をかけたくない場合は、電子レンジで3分で戻せます。
しっかりだしもでます。
ただ、時間をかけて戻すことで、うまみ成分がでてきます。
時間がある場合は、冷蔵庫で10時間程度かけて戻すのがおススメです。
干ししいたけにはカルシウムの吸収を促して、
丈夫な骨を作る働きをするビタミンDがふくまれています。
他にも、水分バランスを調節するカリウムや、食物繊維なども含まれています。
しいたけにはエリタデニンというしいたけ特有の栄養素があって、
血管のつまりやコレステロールの増加を防ぐ効果があるといわれています。
だしにしいたけを使ってみてはいかがでしょうか?