トリビア

松茸の栽培方法はあるの?養殖・人工栽培ができない理由は?

今日は、松茸の栽培についてテーマにしていきたいと思います^^

 

松茸の栽培方法はあるのでしょうか。
また養殖や人工栽培ができない理由は何でしょうか。

 

そんな松茸についてまとめていきます。

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松茸に栽培方法はあるの?

秋の味覚の代名詞とも呼ばれる松茸、
現在9月の下旬ですがTVでは松茸のCMが流れたり、
秋の味覚特集では松茸がでてきたりと
注目されています。

 

そんな松茸はキノコの一種ですが、
他のきのこに比べて 値段が高い ですよね。

 

近所のスーパーでは、松茸が木箱に2本で
1000円くらいで販売していました。

 

しかも国産だったらその倍以上の値段で販売されています。

 

というわけで、なぜ松茸が高いのかというと、
栽培することができないため です。

 

きのこは木に自生しますが、
しいたけやエリンギ・えのきなどは、
おがくず培地による菌床栽培 での栽培方法が確立しています。

 

ですが、松茸にはそういった栽培方法が存在しません

 

なので天然ものしか流通していない松茸は
高級品であるといえます。

 

では、松茸は天然ではどのように育つのか、
安いきのこはどのように育つのかについて説明していきます。

 

 

松茸の育ち方

市場で流通しているものは、今現在天然のもののみです。

 

では天然ものの松茸はどのように育って収穫まで
至るのでしょうか。

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松茸もきのこ類ですので、菌糸が集まって形成されています。

 

きのこは植物に分類されておらず「菌類」 に含まれており、
植物のように光合成をして栄養をつくりだすことはできず、
他のものから栄養を吸収して生きています。

 

きのこは大きく分けて腐生菌・菌根菌に分けられています。

 

腐生菌は椎茸やナメコ、舞茸、えのき…など私たちの身近なきのこであり、
名前の通り、腐敗したもの、、つまり落ち葉や枯れた木などから
栄養を吸い取っています。

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松茸は、菌根菌に分類されており、
生きている植物の根から栄養を吸い取っていきています。

 

つまり共存 して育つのです。

 

菌根菌には松茸以外にも本しめじも含まれます。

 

では実際に松茸はどのようにして育つのでしょうか。

きのこにも成長サイクルというものがあります。

 

1・かさのひだから胞子がとびだし地面に落ちます。

 

2・地面に落ちた胞子がアカマツの木の根に菌糸を伸ばし、
菌根を形成します。

 

3・松茸の菌糸が土の中で増え、
やがて「シロ」と呼ばれる菌糸の塊を形成します。

このシロから松茸(子実体)が形成されます。

 

4・形成された松茸はまたひだから
胞子をまき、その胞子からでた菌糸が子実体を
形成し、松茸ができるのです。

このようなサイクルで松茸は育ちます。

 

とはいえ、松茸が育つ条件があり。

 

「シロ」ができるのが25℃前後、
そして地温が19℃を下回ると地表から
松茸が顔をだすとされています。

 

また雨が多いときの方が松茸ができやすいなど、
細かな条件があるので、その年の環境によって
松茸の収穫量は変わってきます。

菌床栽培のきのこの育ち方

では多く流通しているきのこは、
どのようにして育っているのでしょうか。

 

菌床栽培の場合は、
おがくずやぬかなどで作った培地できのこ類は育ちます。

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1・おがくずをベースとしてつくった培地を殺菌し、
そこにきのこの菌をつけます(摂種)。

 

2・きのこが育ちやすい環境(温度帯はきのこによって違う)で
きのこを培養します。

 

3・きのこの菌糸がのび培地が真っ白になると、
菌糸がまわった証拠となり、
芽出しを行います。

 

4・きのこ別に発生に適した環境をつくり、
きのこを成長させます。

 

菌糸が子実体を形成し、成熟したら収穫を
行います。

 

要するに、菌床栽培できるきのこ類は
他の場所に菌をもってきて栽培するということが可能ですが、
松茸は現在、マツタケ菌を移して、 他の環境で栽培するという
ことができていない
のです。

 

 



なぜ松茸は人工栽培・養殖ができない?

松茸は、一般に菌床栽培されているきのこ類と
種類が違うということを説明しました。

 

松茸の菌は、他の菌に比べてとても弱く、
他の雑菌がいるところでは成長することができません。

 

松茸菌が他の菌に負けてしまい、
成長できない
のです。

 

それゆえ、松茸は他の菌が生育できない痩せ気味の土地で
育ちます。

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松茸はアカマツやクロマツなどと共存して
生きており、光合成した木から栄養をもらって育ちます。

 

またアカマツにも、アカマツが届かないところまで
菌糸を張り巡らし、栄養をアカマツに供給しています。

 

お互い栄養を与えあっているわけです。

 

このような共存環境を人工的に作り出せず、
未だ松茸は人工栽培や養殖が不可能な状態です。

 

人工栽培はできていませんが、
松茸が育つ山の手入れをすることで、松茸が育ちやすいように
努力をしている方はたくさんいます。

 

松茸の研究は進んでおり、
松茸の人工栽培をしようと、大学や研究センターなどが
研究を続けています。

 

松茸と同じ菌根菌である本シメジは、
生態を解明し人工栽培ができるようになっています。

 

いつか他のきのこ類と同じように松茸を手軽な価格で
購入できる日が来るかもしれませんね!

 

 



松茸が高値の原因は?

アカマツと共存し育つ松茸ですが、
かつては椎茸並の価格、もしくはそれ以下で取引されていたようです。

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では、なぜ松茸が現在はこんなに高値なのかというと、
・松茸の収穫量が少ない
・松茸が育つ環境が悪い

主にこの2点があげられます。

 

しいたけは菌床栽培の技術が確立しています。

 

菌床栽培が確立したきのこ類は、安価で安定的に
供給することができています。

 

また松茸の菌であるマツタケ菌は、
土が痩せていて他の菌類が生息できないような環境 で育ちます。

 

昔は人間が木を伐採し、アカマツが育ちやすいような環境を
整備していました。

 

しかし燃料としてアカマツを使う機会が減り、
整備されなくなった結果、雑木が増えて落ち葉がつもり、
他の菌が繁殖しやすい環境になりました。

 

そして松茸の菌は、他の菌と比べて弱いので、
だんだん育っていけない環境になってしまい、
よって松茸の収穫量が減り、それでも 需要 があるので
高値となっているのです。

 

松茸が成長するためには人の手で
山を整備する必要があったのです。

 

なので人工栽培の確立によっても値段は安くなると
考えられますが、
松茸が育つ環境「松たけ山」の整備も松茸を安く提供するためには
必要なことであるのです。

 

最近では外国産のものが多く輸入されていますが、
やはり国産のものの方が輸送に時間がかからないために、
香りを維持できるといえます。

 

国産は外国のものと比較すると高価ですが、
それだけ価値があるのです。

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まとめ

今回は、松茸の栽培、養殖や人工栽培ができていない理由を
テーマにしてまとめてみました。

 

松茸は、できるまでには様々な条件があり、
それゆえ簡単に人工栽培ができないという状況です。

 

他のきのこ類とは違い、
共存して育っているわけですね。

 

ということで限られた時期しか食べることはできませんが、
秋の味覚をしっかり堪能したいところですね。

 

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