小松菜の鉄分と、ほうれん草との違いがテーマです。
小松菜には鉄分が含まれていますが、どれくらい含まれているのでしょうか。
また、同じ青菜のほうれん草と小松菜ですが、見た目や成分にはどのような差があるのでしょうか。
小松菜やほうれん草についてまとめていきます。
ほうれん草と小松菜の違いは?【見た目】
ほうれん草と小松菜は、同じ緑黄色野菜であり、色や形が似ているといえます。
ぱっと見、袋に何も記載されていなかったら違いがわからないかもしれません。
どちらも旬は冬の時期であり、旬の時期は1袋198円程度で販売されていることが多いといえます。
見た目の違いでいうと、特に「根」には違いがあるといえます。
ほうれん草は根が赤いものが多く、小松菜は根が白っぽいです。
また小松菜の方が、ほうれん草よりも茎が太く、小松菜の葉の方が丸みを帯びています。
種類にもよりますが、ほうれん草の葉はギザギザとしているものが多いといえます。
丸葉ほうれん草というものもあり、丸みを帯びた葉のものもあります。
【小松菜】
そのままの状態であれば、見分けもつきやすいのですが、調理されていると、実際判断するのは難しいところだと思います。
ほうれん草と小松菜の違いは?【原産地】
小松菜は【アブラナ科アブラナ属】
ほうれん草は【アカザ科ホウレンソウ属】に分類されており、そもそも種類が違います。
小松菜は、海外からきたものではなく、在来種です。
東京にある小松川界隈(現在の江戸川区)で栽培されてきたとされています。小松川が名前の由来となっており、小松菜と呼ばれています。
一方のほうれん草は、海外からきたものとされています。
ほうれん草の原産地とされているのは、西アジアのカスピ海の南西部とされています。
ペルシャ地方を中心に栽培されてきたほうれん草が、ヨーロッパに伝わり、西洋系の品種が栽培されるようになりました。
日本へは中国から16世紀ごろに伝わったとされていますが、中国へはネパールを経て、伝わったとされています。
中国で東洋系の品種が栽培されるようになりました。
西洋系の品種は、明治初期に伝わり、その後、昭和初期までに、西洋系と東洋系の混雑種が生まれたとされています。
今では、様々な交雑種が育成されています。
このように見た目は似ているほうれん草と小松菜ですが、原産地にも違いがあります。
ほうれん草と小松菜の違いは?【調理法】
ほうれん草と小松菜には、調理する上での違いがあります。
ほうれん草はあくが含まれており、下茹でしてから調理する必要があります。
ほうれん草に含まれているえぐみのほとんどは「シュウ酸」というもので、カルシウムの吸収を阻害します。
また、大量に摂取すると、尿路結石の原因になるとされています。
ですので、ほうれん草を調理する際は、一度下茹でするのが望ましいとされています。
下茹でしたほうれん草は、冷水にいれます。
ほうれん草のえぐみの成分であるシュウ酸は、水に溶けるので、茹でたり、水に漬けることで、相当量を減らすことができます。
一方の小松菜は、ほうれん草と比較すると、シュウ酸の量が少ないので、ほうれん草のように一度下茹でしなくてもそのまま炒めるなどして食べることができます。
ただ最近では、シュウ酸の含量が少なく、そのまま食べられるサラダほうれん草というものも出回っています。
あくが少ないので、生でも食べられるのが特徴です。
ほうれん草と小松菜の違いは?【栄養成分】鉄分
ほうれん草と小松菜は栄養成分では、どのような違いがあるのでしょうか。
食品成分表(七訂)をもとにすると、ほうれん草と小松菜の栄養成分には以下のような違いがあります。
小松菜とほうれん草の栄養成分
こまつな(生) | ほうれん草(生) | |
エネルギー(kcal) | 14 | 20 |
タンパク質(g) | 1.5 | 2.2 |
脂質(g) | 0.2 | 0.4 |
炭水化物(g) | 2.4 | 3.1 |
食物繊維(g) | 1.9 | 2.8 |
カリウム (mg) | 500 | 690 |
カルシウム (mg) | 170 | 49 |
鉄分 (mg) | 2.8 | 2 |
βカロテン (µg) | 3100 | 4200 |
ビタミンB1(mg) | 0.09 | 0.11 |
ビタミンB2(mg) | 0.13 | 0.2 |
ビタミンB6(mg) | 0.12 | 0.14 |
ビタミンB12(µg) | 0 | 0 |
ビタミンK(µg) | 210 | 270 |
ビタミンC(mg) | 39 | 35 |
葉酸(mg) | 110 | 210 |
ビタミンE(mg) | 0.9 | 2.1 |
このように小松菜とほうれん草では多少、ビタミンやミネラルの含有量に差が生まれてきます。
一般にほうれん草の方が、栄養価が高いといわれていますが、βカロテンやカリウム、葉酸や食物繊維など、ほうれん草の方が含有量が多いものもありますが、小松菜もほうれん草に負けないほど、多くのミネラルやビタミンを含んでいるといえます。
小松菜の方がほうれん草よりも鉄分が多い!
表をみるとわかりますが、小松菜は100gあたり2.8gが含まれていますが、ほうれん草 の場合は、100gあたり2.0gとなっています。
というわけで、小松菜はほうれん草よりも鉄分を多く含むのです。
野菜の中では、小松菜以外にも切り干し大根・パセリ・かんぴょう・枝豆などで多く鉄分が含まれています。
小松菜は比較的、野菜の中でも鉄分を摂取しやすい野菜といえます。
ですので、鉄分不足=ほうれん草というイメージがある方も多いと思いますが、ほうれん草よりも小松菜の方が、鉄分が多いですし、枝豆の方がむしろほうれん草よりも多くの鉄分を含みます。
ほうれん草の鉄分が吸収率が悪い?
そしてさらにほうれん草に含まれている鉄分ですが、吸収率はあまり良くありません。
体内での鉄分の吸収は、ヘム鉄や2価鉄の方が吸収率が高いのですが、3価鉄の吸収率は低くなっています。
2価鉄→動物性食品
3価鉄→植物性食品
ほうれん草の鉄の吸収率は、だいずやこむぎ、そしてレタスよりも低いのです。
ほうれん草の場合、3価鉄であるだけでなく、シュウ酸は、カルシウムの吸収を阻害する他、鉄の吸収も阻害してしまいます。
よって、吸収率が悪くなるのです。
しかし植物性食品すべての吸収率が悪いというわけではなく、ビタミンCとともに摂取すれば、ビタミンCによって鉄が還元されて、吸収率が良くなります。
小松菜やほうれん草より鉄分含有量が多い食品
小松菜やほうれん草よりも、鉄分含有量が多い食品もあります。
特に鉄分はレバーに多く含むとされており、それぞれ100g中の鉄分含有量は以下のようになります。
- 豚肉(レバー):13.0mg
- 鶏肉(レバー):9.0mg
- 牛肉(センマイ):6.8mg
- 卵(黄身):6.0mg
- しじみ:5.3mg
こうしてみてみると、小松菜やほうれん草よりも鉄分の含有量が多いということがわかります。
また、野菜の鉄分よりも動物性食品の鉄分の方が、吸収されやすいので、貧血気味の方は、
こういった食品を摂取してみるのも良いといえます。
ただ、動物性食品には、植物性食品とは違い、食物繊維は含まれていませんし、βカロテンもほとんど含まれていません。
ですので、野菜には野菜の良い点があるといえます。
動物性食品も植物性食品もバランスよく摂取するのが良いかと思います^^
それぞれの栄養成分についてはこちらの記事もどうぞ
ほうれん草の栄養成分の効果や効能は?冬では栄養価が違う?
小松菜とほうれん草の違いまとめ
小松菜とほうれん草との違いや、鉄分の含有量をテーマにしてまとめました。
小松菜とほうれん草には、見た目だけではなく、栄養価や調理法など、様々な点で違いがあります。
また、ほうれん草は鉄分が多いというイメージが強いですが、小松菜の方が、ほうれん草よりも鉄分含有量は多いです。
そしてほうれん草の鉄分が吸収率が低いとされています。
それぞれ様々なビタミンやミネラルが含まれているので、偏らずに摂取できると良いかと思います。