健康

こごみの栄養と効能がすごい【栄養士直伝】

こごみの栄養と効能がテーマです。

こごみは、春が旬で手軽に食べられる山菜のうちの一つですが、どのような栄養が含まれているのでしょうか。

栄養価が高く、様々な効能が期待できます。

そんなこごみについてまとめていきます。



こごみの栄養

こごみは、商用のシダ類のクサソテツという種類の若芽です。

わらびやゼンマイ同様に、あく抜きしなくても食べられる山菜です。

旬の時期は5~7月とされており、春先になると店頭に並ぶようになります。

そんなこごみにはどのような栄養が含まれているでしょうか。

こごみで注目すべき栄養素には以下のようなものがあります。

  • βカロテン
  • ビタミンK
  • 葉酸
  • 食物繊維

そのほか、抗酸化作用が強く、風邪予防にも効果的なビタミンC、むくみ予防に効果のあるカリウムなども含まれます。

こごみに含まれるミネラル(100gあたり)

カリウム350㎎
カルシウム26㎎
マグネシウム31㎎
鉄分0.6㎎
0.26㎎

野菜の中で含有量は多くないですが、骨の元になるカルシウムや、体内の代謝に関わるマグネシウムなどのミネラルも含まれる。

こごみに含まれるビタミン(100gあたり)

βカロテン1200μg
ビタミンE1.7㎎
ビタミンK120μg
葉酸150μg
ビタミンC27㎎

抗酸化作用の高いビタミン類が豊富に含まれています。

この他、アルコールの分解に関わる「ナイアシン」も含まれています。



こごみの栄養の効能

こごみは、山菜の中でもあく抜きしないで食べられるのが強みです。

たらの芽やうどなども同じ時期に出回りますが、こちらはお浸しにする場合、あく抜きが必要であり、水につけることで栄養が流出してしまいます。

ですが、こごみはあく抜き不要で食べられるので、栄養を逃さず摂取することができます。

腸内環境の改善!便秘の解消に(食物繊維)

こごみには、食物繊維が豊富に含まれています。

100g中に5.2gもの食物繊維が含まれており、その含有量は野菜の中でもトップ15に入ります。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維という種類があるのですが、こごみには特に不溶性食物繊維が豊富に含まれています。(100g中4.7g)

不溶性食物繊維は、水に溶けにくい食物繊維であり、「便のかさを増やす」「腸の蠕動運動を活発にさせる」効果があるとされています。

ですので、便秘に効果があるといえます。

不溶性食物繊維だけではなく、海藻やこんにゃくなどに含まれる水溶性食物繊維も一緒に摂取するとより効果的です。

貧血予防に!(銅)

銅は、血液を全身に運ぶ働きがあるヘモグロビンの構成成分です。

つまり、銅が不足すると、鉄分を多く摂取していても、貧血の症状がおこることがあります。

銅は、肉類やカキ、するめなどの魚介類に多く含まれていますが、こごみにも多く含まれます。

銅の1日の推奨量は、成人女性で0.8㎎であり、こごみ100gあたりで推奨量の1/4が摂取できます。

強い抗酸化作用で生活習慣病の予防に(βカロテン)

βカロテンは、緑黄色野菜に多く含まれている栄養素です。

体内でビタミンAとして働き、肌の健康を維持したり、粘膜を守る役割があります。ただ、体内でビタミンAに変換されなかった分は、βカロテンとして働きます。

βカロテンは抗酸化作用が強い成分として、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つとされています。

また、しみ・しわを防ぐなど老化防止効果もあります。

骨を丈夫に(ビタミンK)

ビタミンKは、骨の形成をうながす他、血液を凝固させる成分の合成に関わります。

ですので、ビタミンKが不足すると、骨がもろくなる、血が止まりにくくなるといった症状がおこることが考えられます。

1日に必要なビタミンKの量は、150μgであり、こごみ100gを摂取することで4/5量を摂取することができます。

またビタミンKは、通常の食事であれば、とりすぎても心配ありません。

こごみ自体のカルシウム含有量は少ないので、一緒に小魚類も摂取できると効果的です。

DNAの合成と貧血予防に(葉酸)

葉酸は、DNAの合成に関わるビタミンです。

また、ビタミンB12とともにヘモグロビンの合成にもかかわるので、葉酸が不足すると貧血の症状がおこることがあります。

葉酸は、妊娠初期に重要なビタミンであり、不足すると胎児に神経管閉鎖障害という発達不全の症状がでることがあります。妊娠中の女性は、1日に400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。

こごみのほかにも、レバーや小松菜、ほうれん草などの野菜に含まれます。

また、成人女性の摂取目標量は1日に240μgであり、こごみ100gを摂取することで2/3量を摂取することもできます。

 

このようにこごみを摂取することで、様々な効能が期待できます。



こごみの栄養価は高い

こごみは、ビタミンやミネラルがバランスよく含まれていて、栄養価の高い山菜であるといえます。

抗酸化作用のあるビタミン類が豊富に含まれています。

栄養価は高いのに、100gあたり28kcalと低カロリーで、糖質も0.1gほどしか含まれていません。

あく抜きも不要なので、お浸しや胡麻和えなどにも簡単に調理できます。

こごみに含まれるβカロテンは、油と一緒に摂取すると吸収が良くなるので、天ぷらや豚バラなどの肉類と一緒に炒める調理法もおすすめです。

こごみの食べ過ぎは大丈夫?

山菜の中には、あくやえぐみが強かったり、天然毒が含まれているものもあり、多くの量を長期的に食べ続けると、肝障害などがおこる可能性があるものもあります。

ですが、こごみの場合、あく抜きも不要で毒性のある成分がほとんど含まれていないことから、食べ過ぎても問題はないです。

食物繊維を多く含む山菜であり、食べすぎると下痢の症状がおこる可能性があります。

ですので食べ過ぎには注意が必要です。

ただこごみは、1日に何百gも食べるものではないので、このような症状がおこることは稀です。

こごみの栄養効能まとめ

こごみの栄養や効能をテーマにまとめました。

こごみは、食物繊維が豊富にで便秘解消の効果がありますし、また抗酸化作用の強いビタミン類も豊富です。

貧血予防になる銅や葉酸などの栄養成分も含まれます。

栄養価が高い山菜でありながら、あく抜きなどの下処理も不要なので調理しやすいです。

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