ふきのとうの栄養と効能がテーマです。
春の時期になると、店頭に並ぶようになるふきのとうは、ふきの花芽です。
ふきのとうの栄養価は、ふきよりも高いんです。
ふきのとうの栄養や効能についてまとめていきます。
ふきのとうの栄養
ふきのとうは、ふきの花芽であり、春になるとふきのとうが、畑や土手などあちこちで見られるようになります。
田舎では、ふきのとうを気軽にとって食べることができますが、都会の場合、店頭で購入しないとなかなか手には入りません。
2~3月は野生のもので、11月ごろからハウス栽培のものが手に入ります。
独特の苦みがあるふきのとうですが、茎を食べるふきよりも、栄養成分が豊富に含まれています。
ふきのとうで注目すべき栄養には以下のようなものがあります。含有量が特に多いものです。
- カリウム
- 銅
- βカロテン
- ビタミンE
- ビタミンK
- 葉酸
- 食物繊維
このようにふきのとうには注目すべき栄養成分がたくさん含まれています。
含有量は多くはないですが、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、またビタミン類も豊富に含まれています。
ふきのとうのミネラル量(100gあたり)
カリウム | 740mg |
---|---|
カルシウム | 61mg |
マグネシウム | 49mg |
鉄分 | 1.3mg |
亜鉛 | 0.8mg |
銅 | 0.36mg |
※あく抜き前-食品成分表(7訂)
ふきのとうには、特にカリウムが多く含まれますが、カルシウムやマグネシウムといった他のミネラル類も野菜の中では、多く含まれている方です。
ふきのとうのビタミン量(100gあたり)
βカロテン | 390μg |
---|---|
ビタミンE | 3.2mg |
ビタミンK | 92μg |
葉酸 | 160μg |
ビタミンC | 14mg |
※あく抜き前-食品成分表(7訂)
ビタミンCの含有量は多くはありませんが、ビタミン類も多く含まれています。
ふきのとうの期待できる効能
ふきのとうには、栄養成分が豊富に含まれていますので、様々な効能が期待できます。

血圧の上昇を抑える・むくみ予防(カリウム)
ふきのとうには、100gで1日に必要なカリウム量の1/3を摂取することができます。
カリウムには、細胞の浸透圧を調整する働きがあるため、過剰なナトリウムを体外に排出します。そのため、高血圧の予防に効果があります。
また老廃物を体外に排出する効果があるため、むくみ予防にも効果があります。

貧血予防に(銅)
貧血予防というと、鉄を想像する方が多いかもしれませんが、銅は貧血の予防に重要な役割を担っています。
全身に酸素を運搬する働きのあるヘモグロビンの素となるのが、銅ですので、銅が不足すると、貧血の症状がおこります。
銅の1日の推奨量は、成人女性で0.8mgです。ふきのとう100gで1日の推奨量の1/3量を摂取することができます。
生活習慣病の予防(ビタミンE)
ビタミンEは、強い抗酸化作用がある成分です。
体内の酸化を防いで、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防に役立つとされています。老化防止にも役立ちます。
ビタミンEは、ナッツ類にも多く含まれていますが、1日の推奨量は6.0㎎です。
ふきのとう100gには、3.2㎎のビタミンEが含まれるので、1日の推奨量の1/2量も摂取することができるのです。
また、ふきのとうや緑黄色野菜に含まれるβカロテンも強い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果があるとされています。
骨を丈夫に(ビタミンK)
骨の素となるのはカルシウムですが、その定着を活性化する働きがあるのがビタミンKです。
またビタミンkは、血液を止める働きのある成分の合成に必要です。
不足すると、血がとまりにくくなったり、骨がもろくなる恐れも。
ビタミンKの1日の推奨量は、成人女性で150μgであり、ふきのとう100gで2/3量を摂取することができます。
貧血予防と子供の成長(葉酸)
葉酸は、タンパク質やDNAの合成に関わる重要な役割があります。
またビタミンB12とともに血液やヘモグロビンの合成に関わっているので、葉酸を摂取することで貧血の予防にもなります。
その他、葉酸は胎児の成長に必要な栄養素で、不足すると発育が不十分になり神経管閉鎖障害がおこることがあります。
成人女性に必要な葉酸量は、1日240μgであり、ふきのとう100gで1日の目安量の2/3量を摂取できます。妊娠している女性は、1日400μgが目安量になります。
便秘の解消!血糖値の上昇を緩やかに(食物繊維)
ふきのとうには、多くの食物繊維が含まれています。
ふきのとうは、不溶性食物繊維が多く含まれており、この不溶性食物繊維は、腸を刺激して、蠕動運動を促すので、便秘の解消に効果があるとされています。
また、水溶性食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる効果もあります。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維は1:2の割合で摂取した方が便秘解消に効果があるとされていますので、こんにゃく、海藻などの食物を摂取すると、より効果があります!
1日の食物繊維の推奨量は成人女性で1日18gです。ふきのとう100gで必要な食物繊維の1/3量を摂取することができます。
このようにふきのとうには、様々な栄養が含まれています。
ふきのとうは栄養価が高い
ふきのとうには、ミネラルやビタミンが豊富に含まれているので、栄養価が高いといえます。

独特の苦みも、ポリフェノールの一種であり、免疫機能を強化してくれる働きがあります。
また、ふきのとうは昔から咳止めに効果があるともいわれています。
冬の眠りから体を覚ましてくれる山菜は、1年のうちでも食べられる期間がわずかなので、短い間ですが楽しみたいですね。
ふきのとうの毒性には注意
ふきのとうには、ピロリジジンアルカロイド類・フキノトキシンという天然毒が含まれています。

これはあくの成分であり、あく抜きをすることでこの天然毒を減らすことができます。
あく抜きは以下の手順でできます。
- 沸騰したお湯に塩を少々いれて、そこにふきのとうを入れ、数分ゆでます。
- 茹でたらふきのとうを流水で冷やします。
- 水をかえつつ、30分程度水にさらします。
このようにすることで、ふきのとうのあくを少なくすることができます。
苦みが気になる方は、さらに水にさらす時間を増やすと、苦味がとれやすくなります。
栄養価が高いふきのとうですが、ピロリジジンアルカロイド類は大量に摂取すると、肝障害の原因となるものもあることが報告されています。
とはいっても、1日に何百gも毎日のように食べ続けなければ、危険性は低いです。
ふきのとうの栄養と効能まとめ
ふきのとうの栄養と効能をテーマにまとめました。
ふきのとうは、栄養価が高く、ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。
特に、ビタミンE・K、葉酸、食物繊維、カリウム、銅などの栄養成分の含有量が多いです。
春先にしか食べられないので、天ぷらやお浸しなどにしてどうぞ。