たらの芽の栄養と効能がテーマです。
タラの芽は、主に3~4月が旬の山菜であり、天ぷらにしてよく食べられています。
そんなたらの芽は、食物繊維も豊富なのですが他にはどんな栄養があるのでしょうか。
たらの芽の栄養と効能についてまとめていきます。
たらの芽の栄養と成分
たらの芽は、山に自生している「タラノキ」の若芽を摘んだものです。
ただスーパーに販売しているものは、ハウス栽培のものもあります。
基本的に春の時期しか食べられない季節ものなので、旬の時期はぜひ食べておきたいところです。
そんなたらの芽にはどんな栄養があるでしょうか。
たらの芽に含まれる注目すべき栄養素は以下の通りです。
- 食物繊維
- 葉酸
- βカロテン
- ビタミンK
山菜の中では、苦味やあくが穏やかなので、調理もしやすいです。
食品成分表をもとにすると、たらの芽には以下のような栄養が多く含まれます。
たらの芽のミネラル
100gあたり | |
カリウム | 460mg |
マグネシウム | 33mg |
リン | 120㎎ |
鉄 | 0.9㎎ |
亜鉛 | 0.8㎎ |
銅 | 0.35㎎ |
たらの芽は、カルシウムの含有量は少ないですが、他のミネラルは含まれています。
マグネシウム・鉄分・亜鉛は、たらの芽100gを得摂することで1日に必要なミネラル量の1/10を摂取することができます。
たらの芽のビタミン
100gあたり | |
βカロテン | 570μg |
ビタミンE | 2.4㎎ |
ビタミンK | 99μg |
ビタミンB2 | 0.2mg |
ビタミンB6 | 0.22mg |
葉酸 | 160μg |
たらの芽には、βカロテンが豊富に含まれており、その他ビタミンも多く含まれています。
ただ、ビタミンDやビタミンB12は含まれていません。もしそういう記述を見たら、それは間違った情報なので要注意。
また、ビタミンCの含有量はかなり少ないです。
ただ90%が水分でカロリーは27kcalと低いのに、食物繊維は豊富に含まれている万能食材です。
たらの芽の栄養の効能
たらに含まれている栄養成分や効能について説明していきます。

たらの芽は低カロリーで低糖質
たらの芽は、100gあたり27kcalと低カロリーです。
そして糖質は、100gあたりで0.2gと少ないのが特徴。
体をつくる(タンパク質)
たらの芽には、100g中タンパク質が4.2g含まれています。
野菜の中では、タンパク質含有量はトップクラスです。
タンパク質は、血液や筋肉などの体をつくる成分である他、エネルギー源であり、生きていく上で必要な三大栄養素のうちの一つです。
ただ成人女性の1日に必要なタンパク質量は、50gと多いので、肉や魚なども摂取する必要があります。
便秘改善に(食物繊維)
たらの芽には、多くの食物繊維が含まれています。
その食物繊維の含有量は、100gあたり4.2gと野菜の中ではトップ20に入ります。
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、その含有量は水溶性の食物繊維が1.1g、そして不溶性食物繊維が3.1g含まれています。
たらの芽に多い、不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を刺激して、便秘を解消してくれる効果があります。また食物繊維には、血糖値を緩やかにしてくれる働きもあります。
ただ食物繊維の理想の摂取割合は、水溶性と不溶性食物が1:2ですので、わかめなどの海藻類も食べると良いです。
むくみや高血圧予防(カリウム)
たらの芽には、100g中460㎎のカリウムが含まれています。
成人女性の1日の摂取目安量は2000㎎以上ですので、他にも食材を摂取する必要はありますが、野菜の中でもカリウム含有量は多い方です。
カリウムは、ナトリウムの排出を促すため高血圧を予防、またむくみ予防に効果があるといえます。

生活習慣病の予防に(βカロテン)
たらの芽には、100g中570μgものβカロテンが含まれています。
βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれている成分であり、体内でビタミンAに変換されて、皮膚を正常の状態に保ったり、夜盲症の予防に効果があります。
また、ビタミンAに変換されなかった分は抗酸化作用を発揮し、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病予防に役立つとされています。
βカロテンは油と摂取すると、吸収が良くなるので、タラの芽の天ぷらにするという食べ方は理にかなっているのです。
貧血予防!妊婦さん必須(葉酸)
たらの芽には、100g中160μgの葉酸が含まれています!

野菜の中ではそこまで含有量が多い方ではないですが、食材全体でみれば葉酸の含有量は多いです。
葉酸は、ビタミンB12とともに血液をつくる働きがあり、葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血という貧血の症状が現れることがあり、重要なビタミンです。
また、成人女性は1日に240μgの葉酸が摂取目標量ですので、たらの芽100gで1日の目標量の2/3量を摂取することができます。
ただ、妊娠初期の女性は、付加的に400μgの葉酸を1日に摂取することが推奨されています。
妊娠中に葉酸が不足すると、赤ちゃんが新景観閉鎖障害という発育不良になるリスクがあります。ですので、妊婦さんは積極的に葉酸を摂取する必要があります。
葉酸が多く含まれている野菜は、他にも枝豆やモロヘイヤ、芽キャベツ、アスパラガス、ほうれんそうなどがあげられますので、こういった野菜も摂取してください。
また葉酸以外にも、ビタミンB12を多く含む貝類やレバーもとると良いです。
骨粗しょう症の予防に(ビタミンK)
たらの芽には、100g中99μgのビタミンKが含まれます。
これは1日に必要なビタミンK量の2/3に値します。
ビタミンKは、カルシウムを骨に定着させるため骨粗しょう症予防に効果があるとされています。
また出血した際、血液を凝固するのにかかわります。
その他、貧血予防に効果のある鉄や銅、また味覚を正常に保つ亜鉛も微量ですが、含まれています。
タラの芽に含まれるサポニンには、糖尿病の予防改善効果もあるとされています。
たらの芽の食べ過ぎは大丈夫?
たらの芽には毒はありません!

なので、たらの芽を食べ過ぎて健康に問題がでるわけではないですが、注意すべきこともあります。
それは、食物繊維です。
たらの芽には100gで4.2gと多くの食物繊維が含まれています。この食物繊維は、一度に大量に摂取すると、下痢のような症状がおこる可能性があります。
また、たらの芽は天ぷらにして食べられることが多いですが、油も一度に大量に摂取すると、ひとによってはお腹を壊しやすくなってしまうので注意が必要です。
なので、1日に摂取するのは、せいぜい1パック(6~10個入り)程度にとどめておきましょう。
たらの芽の栄養まとめ
たらの芽の栄養についてまとめました。
たらの芽は、食物繊維、葉酸、βカロテン、ビタミンKなどの栄養が含まれています。
たらの芽に含まれるβカロテンは、油で調理すると吸収が良くなりますので、たらの芽の天ぷらはおすすめの食べ方です。
ただ食物繊維が豊富なため、食べ過ぎ注意。
3~4月の旬の時期にお楽しみください。