紫玉ねぎをよく買うという方は少ないのではないでしょうか。
普通の玉ねぎ=茶色い皮のものと比較すると、使いにくい食材かとは思いますが、玉ねぎと比べると、ある栄養素の成分量が多く含まれています。
具体的に、どういった栄養が含まれているのか、玉ねぎと比較してまとめていきます。
紫玉ねぎの栄養と効能
紫玉ねぎは、その名前の通り、薄皮が赤紫色をした玉ねぎを指します。
一般的な玉ねぎは、皮が黄色~茶色で中身が白っぽい色なのに対し、紫玉ねぎは皮をめくっても、中の果肉も紫色なのが特徴です。
販売量は少ないですが、玉ねぎよりも辛味が控えめなので、サラダによく使われています。
そんな紫玉ねぎの注目すべき栄養成分は、【アントシアニン】です。
紫=アントシアニンという成分であり、ポリフェノールの一種です。
普通の茶色い玉ねぎには、ほとんど含まれていませんが、紫玉ねぎには多く含まれているのです。
そしてアントシアニンは、ナスやブルーベリーにも多く含まれており、様々な効果が期待されています!
では、アントシアニンにはどのような効果が期待できるのか説明していきます。
紫たまねぎの効果・生活習慣病予防(メタボ・糖尿病)
紫玉ねぎに含まれるアントシアニンは、ポリフェノールの一種ですので、強い抗酸化作用をもちます。
この強い抗酸化作用が、生活習慣病の予防にも効果があるとされています。
生活習慣病といっても様々ですが、特に動脈硬化やメタボリックシンドロームの予防に効果があると研究発表されています。
参照元:津田研究室
メタボリックシンドロームは、食べ過ぎや運動不足が起因とされていますが、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの原因にもなります。
動脈硬化を防ぐことは血管の強化にもつながります。
紫玉ねぎなどに含まれるアントシアニンを摂取することで、脂肪が体に蓄積されるのを防ぐことができるのです!
紫玉ねぎの効果・目の老化予防
ブルーベリー=目に良いというイメージをお持ちの方も多いと思います。
実際、紫玉ねぎやブルーベリーなどに含まれるアントシアニンは、白内障や緑内障の予防効果があるという研究結果が発表されています。
アントシアニンが、なぜ白内障や緑内障を予防できるのか?というと、こちらも強い抗酸化作用があげられます。
白内障や緑内障になる原因は紫外線であるとされていますが、その強い紫外線のダメージから目を守ってくれるのです。
紫玉ねぎが紫色なのは、太陽の紫外線から身を守るためです。
その他生活習慣や喫煙が原因とされていますが、これも紫玉ねぎの強い抗酸化作用により、予防することができるとされています。
紫玉ねぎの効果・アンチエイジング
紫玉ねぎの強い抗酸化作用は、老化防止にも効果があるとされています。
紫外線は、しみやシワの原因となります。
アントシアニンが体内の活性酸素を抑制し、体が酸化し、老化していくのを防いでくれるのです。
その他、アントシアニンを多く含む食材
紫玉ねぎ以外にも、アントシアニンを多く含む食材があります!
- ブルーベリー
- なす
- カシス
- ぶどう
- 紫芋
- 紫じゃがいも(シャドークイーン)
- シソ
- いちご
こういったものに多く含まれています。
こういった食材を日々バランスよく摂取すると良いです^^
紫玉ねぎと普通の玉ねぎの栄養の違い
紫玉ねぎには、普通の玉ねぎよりもアントシアニンが豊富に含まれています!
アントシアニン以外には、栄養に違いはあるのでしょうか??
結論からいってしまうと…あまり栄養価に違いはありません!
色付きの野菜が良い!と情報番組などでも言われていますが、紫玉ねぎはβカロテンが含まれていないので、緑黄色野菜でもありません。
というわけで、アントシアニン以外はあまり栄養成分に差は見られませんので、常食するのであれば、普通の玉ねぎで十分です!
栄養成分の違いについては表でまとめました!(100gあたり)
ミネラル類
紫玉ねぎ | 玉ねぎ | |
カロリー | 37kcal | 38kcal |
糖質 | 7.2g | 7.3g |
カリウム | 150mg | 150mg |
カルシウム | 21mg | 19mg |
鉄分 | 0.2mg | 0.3mg |
亜鉛 | 0.2mg | 0.2mg |
銅 | 0.05mg | 0.04mg |
ビタミン類
βカロテン | 1μg | 0μg |
ビタミンE | 0.1mg | 0.1mg |
ビタミンK | 0μg | 0μg |
ビタミンB1 | 0.03mg | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.01mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.16mg | 0.13mg |
葉酸 | 16μg | 23μg |
ビタミンC | 8mg | 7mg |
食物繊維量 | 1.6g | 1.7g |
そして、玉ねぎは栄養豊富!って書かれている情報があると思うんですけど、玉ねぎはそんなに栄養豊富な野菜ではないです。
ビタミンB類やビタミンC、食物繊維、その他鉄分、亜鉛など野菜の中では含有量が少ない方なので、野菜だからといって玉ねぎばかり食べるのはやめておきましょう。
緑黄色野菜もしっかり摂取した方が良いですね。
紫玉ねぎ&玉ねぎに含まれる栄養効果
続いて、紫玉ねぎ&玉ねぎ、どちらにも含まれる成分による栄養効果について説明していきます!
硫化アリル
玉ねぎって独特の辛さがありますよね。
紫玉ねぎは、普通の玉ねぎよりは弱いですが、それでもやっぱり辛味はあります。
この独特の辛さは、【硫化アリル】というものです。
そして紫玉ねぎを切ったりして、涙を流すのもこの成分が原因!
そして様々な効果が期待できます。
- 血液サラサラ
- 新陳代謝を活発にする
- 動脈硬化の予防
紫玉ねぎにも含まれるこの成分は、血液をサラサラにして血栓を予防する効果が期待できるので、動脈硬化の予防にも効果があるとされています。
動脈硬化だけではなく、脳梗塞や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果も期待できます。
また、硫化アリルは、ビタミンB1の吸収をサポートしてくれます。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあるので、新陳代謝があがり疲労回復効果も期待できます。
ちなみにビタミンB1は豚肉に多く含まれているので、豚肉と玉ねぎ類の料理はスタミナ効果があるとされているのです!
ケルセチン
紫玉ねぎ、玉ねぎにもケルセチンというポリフェノールの一種が含まれています。
ブロッコリーやモロヘイヤなどにも含まれている成分ですが、玉ねぎの含有量はダントツ!
この紫玉ねぎと玉ねぎに含まれる成分には以下のような効果が期待できます。
- 生活習慣病の予防
- 糖尿病改善効果
- 肥満、メタボ予防
- 認知症改善
参照元:ケルセチンの習慣病予防
ミネラル、ビタミン類の含有量は少ない紫玉ねぎですが、生活習慣病の予防などの効果が期待できるケルセチンは、豊富に含まれています。
脂肪の吸収を抑えて、脂肪の排泄の効果の期待ができます。
紫玉ねぎで効果が期待できる成分
- アントシアニン
- 硫化アリル
- ケルセチン
紫玉ねぎの栄養を効果的にとる調理法
紫玉ねぎの栄養成分は、アントシアニン・硫化アリル・ケルセチンであるということをお伝えしました!
この成分、それぞれ調理の特性が異なります。
紫玉ねぎに多く含まれるアントシアニン・ケルセチンは、熱に強く、損失しにくいのが特徴です。
また、油と一緒に摂取すると、成分の吸収率が高まります。
硫化アリルはどうかというと、水にとけやすくなっています。
ですので、サラダにする際、水につけておくと辛み成分が少なくなりますが、同時に硫化アリルも流出してしまうので注意が必要ですね!
これらの面を考えますと、紫玉ねぎの調理法として最適なのはサラダなどの生食ではなく、加熱調理が向いています。
炒めると、紫玉ねぎ独特の紫色が少し薄まりますが、野菜炒めとしても美味しくいただけます。
ぜひ普通の玉ねぎではなく、紫玉ねぎ炒めにも挑戦してみてくださいね^^
紫玉ねぎの栄養効能まとめ
紫玉ねぎの栄養や効能についてまとめました。
紫玉ねぎには、アントシアニンが豊富に含まれています。
これは、普通の玉ねぎにはほとんど含まれていない成分であり、抗酸化作用が強く、目の老化防止や生活習慣病の予防に効果が期待できます。
その他、玉ねぎ同様に、硫化アリルというスタミナ効果のある成分やケルセチンというメタボ予防に効果があるとされる成分も含まれています。
これらの成分を効率よくとるには加熱調理して食べるのがオススメです!