今回はイチョウの木にオスとメスがあるのかをテーマにしていきたいと思います^^
秋になると美味しい銀杏がたくさん実って、銀杏拾いは毎年の恒例行事になってる方もいるのはないでしょうか。
でも不思議ですよね?よくみると銀杏がなっている木もあればならない木もあります。
イチョウの木にも「オス」と「メス」があるのでしょうか。
何か見分け方があるのでしょうか。
イチョウの性別についてまとめていきたいと思います。

イチョウの木にはオスとメスがあるの?
結論からいうと、イチョウの木にはオスの木とメスの木があります。
銀杏がなってるのをみれば、一目瞭然ですがそれ以前では見た目から全然わからないですよね。
イチョウの木は雌雄異株(しゆういしゅ)
雌雄異株とはオスの木とメスの木がそれぞれ別々の個体という意味です。
イチョウの木は裸子植物(裸の種をもつ植物)です。
裸子植物の多くと被子植物の一部では、雄花と雌花が同じ株につくものもありますが、イチョウの木はオスの木は雄花、メスの木には雌花のどちらかしかつけません。
なので、イチョウの木はオスの木とメスの木があるんですね。

これはイチョウが優秀な遺伝子を残すことと多様性を増やすためと考えられています。
似たような遺伝子と受粉を続けると、有害な遺伝子が増えた時に子孫を残せない危険性もあります。
そのために風媒花(花粉を風に運ばせること)で1㎞程度離れていても受粉が可能なんです。
イチョウの誕生
そもそも木も草花も動物も人間も突然地球上に誕生したわけではありません。
長い時間をかけて姿や形をかえて現在のようになりました。
30億年程まえ海の中で誕生した細菌が時間をかけて光合成するものへと変化していきます。
そして昆布のような植物になり、やがて植物は陸上にあがり胞子でふえるシダ植物(シダやツクシ)になったと考えられています。
シダ

しかし空気中の成分や地上の様子が変化するにつれて滅んでいき、次にあらわれたのが種で増える種子植物です。
その中で裸の種をもつのが裸子植物(イチョウやソテツなど)があらわれその後花をさかせる被子植物があらわれました。
ソテツ

イチョウの木は「生きる化石」とも呼ばれています。
長い歳月生き続けてきた植物で、恐竜の生きていた時代には世界的に繁栄していました。
ただ残念なことにイチョウは氷河期にほぼ絶滅してしまい、唯一中国に1種生き残ったイチョウが、人間の手のよって植栽され広まったとされています。
なので大昔の姿を色濃く残しながら現代も生き続けています。
イチョウの花はどんな花
イチョウは雌雄異株なので、オスの木に雄花メスの木に雌花がさきます。
花というときれいな花びらを思い浮かべますよね。
ですがイチョウは裸子植物なので花粉ができる雄花と種のもとになる部分がむきだしになっている雌花のふたつからできています。
なので、花びらと呼ばれる部分はありません。
イチョウの雄花の特徴
雄花は房状に垂れ下がります。花びらは無く、葯(やく)がたくさん集まってできています。

1つの葯は2個の葯で出来ていて、この部分に花粉ができます。

イチョウの雌花の特徴
種子になる部分(胚珠)は花柄の先に二つずつでき、花びらはありません。
先端の部分に粘液質の受粉液をだし、とんでくる花粉を付着させます。


受粉すると胚珠の栄養をもらって数ヶ月生き続けます。
その後花粉管から繊毛が生えた精子がでていき泳いで卵細胞に到達し受粉します。
オスとメスの見分け方はあるの?
実や花がついていない時は残念ながら見分ける方法はなく、見分けるには生殖器官の観察しかありません。
※イチョウ雌雄間の染色体の違い
https://ci.nii.ac.jp/naid/110001815992
ただ長年の観察や育てる過程で、そうではないかという説はいくつかあります。
あくまでも、科学的の根拠があるわけではないですが、どんな説があるのかご紹介します。
イチョウの葉の大きさの違い

よくイチョウの「葉の形でメスとオスが違う」という説や「葉の切れ目の有る無しで見分けられる」という説がありますが、これは俗説で葉の形や切れ目では全くみわけられません。
※葉の裂方で雌雄区分
http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000159834
ただメスの葉の方がオスの葉よりも大きい葉をしているようです。
これは、銀杏をつけるためにたくさんのエネルギーを光合成で生産しなければならないからではないかと言われています。
イチョウの木の枝の角度
いちょうの枝の角度でオスとメスの木を見分ける方法です。
メスの木は真ん中の一番太い幹から伸びる枝が水平に近く伸びるようです。

これは飛んできた花粉を受粉を集めやすいのと、たくさん銀杏の重みで枝が傾いた可能性もあります。

まだ未熟な上の方の枝より下の方がその傾向が強まります。
オスの木はメスの木に比べると枝が真ん中の太い幹から鋭角に伸びています。

枝が上の方に高く伸びることで花粉をより遠くに飛ばすことができるからではないかと言われています。

ギンナンでオスとメスはわかるの?
ギンナンをよくみると殻の合わせ目のような線があります(稜線)
この線を境にして2面のものがオス、3面のものがメスという説もあります。
ただこちらも科学的根拠がないところが現状です。
ギンナンの中には4面というのもあり、その割合は2面のものが全体の8割程度、3面のものが約2割、4面のものは1割もありません。

確かに18世紀の中国・清時代の百科事典「古今図書集成」という本に「種子の雌雄は殻稜線数で見分け、結実する栽培方」という記述がありますが、詳しいことはわかりません。
ギンナンを土に植えたとしたら実ができるまでに約20~30年はかかると言われています。
長い時間をかけて証明する事はなかなか難しいですよね。
まとめ
今回はイチョウのオスとメスの性別や見分け方についてまとめてみました。

イチョウはまだまだ不思議の事や解明されてない事がたくさんあります。
山梨県身延町にある八木沢のオスのオハツキイチョウ(国指定天然記念物)があります。
これまで実をつけたという記録はなかったのですが、2011年地上8mの位置に1枝のみ銀杏がついていることが確認されました。
オスのイチョウの木に実がなるのは今までに2本しか例がなく、大変珍しい現象です。
日本植物園協会によると体細胞の突然変異が起こって、その1枝だけがメスになったと断定され、今後も研究が進められていく予定です。
※イチョウの性転換
http://www.syokubutsuen-kyokai.jp/business/dl_files/kaihou52all.pdf
地球の環境にあわせて生き続けるためにイチョウの木は、少しずつ進化しているのかもしれませんね。