今回はしそと大葉のちがいをテーマにしたいと思います^^
スーパーなどで売られている「しそ」と「大葉」には
なにか違いがあるのでしょうか?
しそと大葉の違いについてまとめていきたいと思います。
しそと大葉の違いは?
結論からいうと、しそと大葉は基本的には同じものです。
同じものなのですが、「しそ」はシソ科シソ属の植物の総称で、
代表的なものに青シソ、赤シソ、ちりめんシソなどがあります。
「大葉」はしその中の青シソの葉の部分のことです。
つまり、「しそ」は全体をさし、青シソの葉の部分のみを「大葉」と呼びます。
しそとは
シソ科シソ属の植物で中国から伝わったとされています。
しそは漢字で書くと「紫蘇」になりますが、
これは中国の昔話が由来になっています。
食中毒になって、命が途絶えかけている少年に
紫蘇の葉を煎じた紫色の薬を飲ませたところ、
命をとりとめたことから紫蘇(紫の葉で蘇る)と名づけられたと言われています。
歴史も古く縄文時代には種実が出土しています。
江戸時代にはすでにお刺身のつまとして使われていて、
1697年に書かれた「本朝食鑑」には「紫蘇の葉は魚肉の毒を去る」とあります。
日本人の食文化には、かかせないものだったんですね。
大葉とは
大葉は一般的に、青しその葉の部分の呼び名です。
香味野菜として流通するときのみ「大葉」という呼び名になります。
なので、栽培されている状態の時は青しその葉を大葉とは呼びません。
そうすると、赤しその葉も大葉と呼ぶのでは?という疑問がありますが、
赤しそは香味野菜として生で食べることがなく、
市場には、需要が少ないために限られた期間しか出回りません。
また鮮度がおちるのが、早いので根付まま販売されたり、
塩漬けなど加工してから販売されるので、大葉とは呼びません。
大葉という名前の由来は?
もともと紫蘇は一度種を蒔けば、翌年も種がこぼれて
畑に広がることもありあまり市場に出回ることはありませんでした。
はじめは、料亭や割烹などのお店用に、
季節のつまものとして出荷していました。
その時にわかりやすく区別するために、
実の部分を穂紫蘇 、葉の部分を大葉と商品名をつけ、
静岡県の組合が大阪に出荷したのが始まりとされています。
その後、他県からも東京の市場にも出荷され大葉という名前が定着しました。
大葉という名の由来は、青しその葉を束ねたものを「大葉」と名づけた
又、芽しそと区別するために大きな葉から大葉と名づけられたなど諸説あります。
しその種類
しそにはたくさんの種類があります。
ちりめんしそ
葉の表面にくぼみができて、ちりめん(織物の一種)のようになることから
この名がつきました。
赤しそ、青しそ両方にあり、普通のしそよりも香りが強く、
赤しそは色がよくでる性質があります。
ただ、普通のしその品種から劣勢変異して出来た品種なので
生育にバラツキがありくぼみの部分に病害虫が潜みやすいので
育てにくい品種とされています。
赤紫蘇
もともとしそは漢字で「紫蘇」とかくように赤紫色でした。
青しそは赤しその変種になります。
独特の香りがありますが、エグミが強いので、
生食にはあまりむいていませんが加熱したり、塩でつけたりすると
色合いや香りがよくなります。
各地の直売所では、季節になると根つきのままよく売られています。
これは赤しそが青しそに比べて鮮度がおちやすいためです。
赤しその色は アントシアニンの一種「シソニン」 によるもので
酸性のものと混ぜると、鮮やかな赤色になるため、
梅干やしょうがの色づけに使われてきました。
裏赤しそ
葉の片面だけが赤くもう片方が青いしそで
別名「片面しそ」「半面赤しそ」ともいいます。
香りが高く、色素も多いので、梅干やしそ巻きなどの料理に
幅広く利用できます。
岩手県川井村では、春から初夏にかけて吹き降ろす
「やませ」の冷湿な環境が、しその栽培に適していて、
片面しそを活用した特産品の開発に力を入れています。
青しそと赤しその違いは?
見た目でもわかるように、緑と赤紫色です。
それぞれこの色の正体はなんでしょうか。詳しく見ていきましょう。
青しその特徴
青しそはなんといっても、あのさわやかな香りですね。
あの香りの成分は主に「 ペリルアルデヒド 」と呼ばれる香り成分によるものです。
しその葉の表面は、「油胞」というカプセル状のかたまりがたくさんあります。
油胞の中にはペリルアルデヒドがつまっていて、
しそを葉を持っただけでこのカプセルが破れて香りが広がります。
防腐作用があるので 食中毒予防の効果 があります。
食欲増進効果もあるので、夏バテぎみで食欲のない方にはおすすめです。
そうめんなどの薬味にぴったりなのも、納得しますね。
赤しその特徴
青しそとはちがう独特の香りとあの赤紫色が特徴です。
赤しそにはアントシアニンの一種のシソニンという色素成分が含まれています。
この色素は酸性のものと混ざると赤色に発色するため、
昔から梅干を漬ける時に使われてきました。
江戸時代中期の書物「本朝食鑑」に、
現在の梅干の作り方とほぼ同じものが残されていて、
その一文に「生紫蘇の葉で包んだものは赤くなり珍重される」
という記述があります。
梅の疲労回復の効果やしその抗菌、防腐効果は
現代のように冷蔵設備がなかった時代には、
なくてはならない食べ物だったんですね。
アントシアニンはポリフェノールの一種で 抗酸化作用の効果 が期待できます。
しそと大葉の違いまとめ
今回はしそと大葉の違いについてまとめてみました。
地域によって、呼び名もいろいろあって
大葉という名前で定着しているところもあれば
しその葉と呼ばれているところもあります。
又「チソ」や「ちそっぱ」と呼ぶ方もいます。
昔、広い地域で紫蘇が方言となり「ちそ」と呼ばれるようになった
という説があります。
それだけ生活に密着した食べ物なんですね。